第6話

俺達とメフィロスとの戦闘が開始された。

「まずは小手調べだ。カエデ、タイムストップを頼む」

「了解だよ。効かなかったらカエデに加速効果を付与するね」

カエデのタイムストップが発動した。しかし、奴は止まることはなくそのまま突っ込んでくる。やはりだが聞かないようだ。

「やっぱりそうだよね。じゃあ加速の効果を付与するよ。援護は任せて」

「ありがとう。さあ、あいつをぶった切ってやるよ」

「よし私も援護に回るね。巻き込まれたらダメだよ」

そこは巻き込まないようにしてくれよな。俺は剣を上段に構えて、自分の魔力を剣にまとわせる。これで火力も上がるはずだ。

俺は思いっきり駆け出した。しかし奴は加速した俺と変わらない速さで向かいうちにきた。やはり昨日のようにはいかないようだ。

お互いの剣激しくぶつかりあった。そのせいであたりに火花が散っている。

攻撃が凄く重い。気を緩めたら簡単に押し負けてしまう。

「人間よこの程度なのかもっと我を楽しませろ」

「ふざけんなよ。お前を楽しませる気なんてないんだよ」

「ツバキ支援魔法いくよ。防御力と攻撃力を一時的に強化するけど早めに片付けて。多分だけど何かこいつ隠してると思う」

このタイミングでの支援魔法はありがたい。しかしモミジがこういった支援魔法まで使えてしまうのが俺的にはかなり悔しい。だがこれのおかげ自分の能力自体は二倍以上に上がった。これならあいつの馬鹿力にも負けないだろう。一気に勝機が見えてきた。

予想通り力関係も逆転している。これなら押しきれる。

しかし奴はかなり不利な状況にいるにも関わらず不敵に笑ったのだった。

「お前たち弱小種族に癖になかなかやるではないか。ここまで強いのなら俺も本気を出すことにしよう。ひとつだけ警告しておく。今から放つ攻撃は絶対に受けるなよ」

こうやつが言い放った瞬間更に凶悪なオーラが奴から溢れ出てきた。

「先に我の能力を教えておこう。我の能力は絶対切断。どれだけ固いものや空間であっても切断することができるという能力だ。これを出したのだからお前らには勝ち目はない」

「流石にそれは卑怯だろ。だけどここで負けるわけにはいかないんだよ」

「やはり面白いぞ。ここまでやって勝つ気でいるとは。なら死ぬ気でかかってくるが良い」

奴はそう言い放った瞬間俺達に向かって斬撃を飛ばしてきた。反射的にこれを避けた俺達はその攻撃の後を見て絶句した。

斬撃があたった場所が底の見えない崖のようになっているからだ。

これを食らったら確実に死ぬ。昨日と違って確実に死が目の前にある。

「ここまで強いとはな。さすがに面白くなってきたぜ、出し惜しみは無しだ。カエデ、モミジ確実にこいつを葬るぞ」

「「了解だよ。私達も楽しくなってきたんだから思いっきりやってやるよ」」

「ここからは俺のことは気にせず魔法打ってくれ」

これでさすがの奴でも防御に回ってくれるだろう。

そうなればこいつを早々に倒してこいつの能力を得ることにしよう。ここまで強力な能力はめったに無いからな。これを自分のものに出来たら彼女たちに少しは近づくことができるだろう。

そうして戦闘開始から一時間が経過したときだった

一時間休まず攻撃を仕掛けたこともあり、奴も目に見えて疲れてきているがさすがの俺たちもこれ以上はきつい。

「お前達想像以上だ。これ以上はこちらも戦うのがつらいのでな、次の攻撃で終わらせてやる」

「モミジ、カエデ次の攻撃を耐えて必ず勝つぞ」

「「もちろんだよ。勝ってエルフたちを助けるよ」」

「ここまできても勝つ気なのか。なら最後にくらうがいい、桜滅流奥義冥王星斬」

予想以上に速い、そしてでかい。今までとは比べ物にならない斬撃が正面から襲いかかってくる。だが、ここで俺が回避したのなら後ろにいる二人が巻き込まれて死んでしまう。

なら避けるという選択肢は俺にはない。

だがこれほどの威力の攻撃を俺が受け止められるのか。だが今の俺には悩んである暇はない。受け止められるかじゃない、受け止めてみせるんだ。

「こんなところで死ぬわけには絶対に行かない」

「「ツバキ負けるな。負けたら許さないぞ」」

二人に脅されたのなら頑張るしかないだろう。こんな技よりもあいつらが怒った方が百倍怖いからな。俺は最後の力をふりぼって剣を振るった。その結果奴の最強の一撃を破ったのだった。

「まさか我が負けるとはな。だがさすがのお前らでもあの化け物には勝てないだろうな」

「忠告ありがとうな。お前の能力や技はありがたく使わせてもらうよ。ほらさっさと逝きやがれ」

こうして奴との死闘は俺達の勝利で幕を下ろした。

「こんなにも強い敵がいたなんて思ってなかったよ。この世界を見くびってたよ」

「そうだな。じゃあエルフ達を助けて一回村に帰るか。でもエルナはどこに行ったのかな?」

「まああの子は放っといておけけばいいよ。どうせすぐツバキに逢いに来るでしょ。あの子あんたのこと大好きだし」

「まあそれもそうか。じゃあエルフたちを解放するぞ」

「「了解です。あー疲れた」」

こうして俺達は疲れた体に鞭を打ってエルフたちを助けたのでした。

この戦いの結果死ぬ気で倒したセフィロスから俺は絶対切断と剣技桜滅流を手に入れるのでした。これでついに彼女たちとに少し近づいたのでした。

でもこいつより強いのがいるのは知りたくなかったです。

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