EP9 緑色

エーテル濃度が高いこれは間違いなく。

エーテルルーラーだった。

エーテル反応炉の最大の欠点にして利点、

エーテルの濃度によってエーテル反応炉の性能が変動すると言う、

此によって高濃度化で心と周りに影響を及ぼすエーテルルーラーの存在を間接的だが感知出来る。

「相変わらず聞き取り難いな」

町の上空でエーテルルーラー同士の戦闘が起きた、高速で動き回る為正確な姿が解らないのだ。

頭に声が響いているがノイズが酷く煩わしかった、

レンズ越しだが黒と紫のエーテルルーラーが別のエーテルルーラーと対決している様に見えた。

「でも此であっちで何が起きてるかだいたい分かるじゃん」

北野がアシストトライクを運転して東野がエーテルルーラーを撮影している、

民家の屋根に居たネコマタから強烈な光線を発射した。東野はバッチリとネコマタの顔を撮影出来た。

「…此で万単位の金になりそうだな」

奴らの戦いは介入せず寧ろその様子を撮影をしているのだ、

ネコマタの不意の狙撃を黒と紫のエーテルルーラーは直撃したが致命打に成って無かった。

ネコマタが屋根から屋根へ跳び移って移動しているが黒と紫のエーテルルーラーは上から執拗に攻撃してきた、

其処に漁夫の利を得ないで無数の蝙蝠みたいなので2人まとめて叩こうとしたエーテルルーラーが居た、

アシストトライクが突然止まった、

突然の事で東野がふらついてしまったが直ぐに立て直した。

「いきなりと…」

東野が言葉を詰まらすのも無理は無い、

無数の緑色の百合の花が見えた。

一体何処に生えてるのか?

北野は直ぐにスマホのカメラで適当に撮影した、

「…病院?」

緑色の百合の花は和風建築の建物にも生えてた、

北野は建物の近くの壁にアシストトライクを降りて建物に向かって走った。

「あっ!一寸!」

東野はこのままでは北野は…

東野は懸命に走って追った。

懸命に追いかけて懸命に追いかけて懸命に追いかけて懸命に追いかけて懸命に追いかけて懸命に追いかけて懸命に追いかけて、

緑色の百合の花が咲き乱れる通路を走ると、北野の声が聞こえた。

だがその声は今までと違って怒号に等しかった。

東野は声のする方に向かった、

扉が開いてて其処を通ると、

普通の病室に成ってた。

其処で何が起きたか、

老人の胸ぐらを掴む北野だった。

「ちょ!一寸!北野!あんた何を!!」

「このクソジジィが『この百合の花の色は緑色か?』と聞いてきんだ!」

「…百合の花の色は緑色か?」

その老人の問いに北野は。

「何度でもふざけるな!!黄色だ!!黄色の百合の花だ!!その目でよく見ろ!!!!!」

老人の虚ろな目に東野は何か気づいた。

そして理解してくれないと気付くと、

「…別れましょう」

「…な?」

「満足したでしょう、仇を見つけて。此でお別れね」

そう言って東野千花は部屋を後にした、

別れた直後。周りの風景は何時ものに戻った。

その後、あの老人は自らの生涯をかけ緑色の百合の花を作ろうとしていたのだ。

だがあの病室の百合の花は一部が緑色だが先端近くから黄色に成ってきた。

つまり品種改良に失敗したのだ、

老人が何度も同じ質問をしたのは目が見えなく成ったのだろう。

それで北野との会話で噛み合わないのだ。

其処に膨大なエーテルに因ってエーテルルーラーに成ったのだ、

その人の夢見た緑色の百合の花が彼のエーテルルーラーの能力なのだ。

あれから数日後。

緑色の百合の花は見えなく成った、

彼の告別式の時、遺族達は緑色の百合の造花を捧げた。

EP9 緑色 END

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