【爆発カウントダウン】どう切り抜ける?・その一

□扉や窓を破って脱出する・その一

 多少荒っぽい手法ではあるものの、一番手っ取り早いのはこの方法だ。

 窓がベニヤ板や格子で塞がれているといっても、強引にやればいつかは突破できることであろう。

 そのワンチャンスに賭けることにした。


──とはいえ、制限時間は迫っている。どれくらい時間が掛かるかも分からないので早速行動に移すことにした。

 窓と扉──どちらを破壊するか。さすがに、両方という訳にはいかないだろう。


──窓にしよう。

 私はすぐさま決断した。

 金属の分厚い板で塞がれたドアよりも、一回り小さい窓の方が破壊することは簡単なように思えた。

 頑張れば、容易く突き破れるに違いない。


 そう思って、私は台所へと向かった。

 此処に窓があるのは先程確認した。ベニヤ板で塞がれており、その上から格子が嵌められている。

 ベニヤ板は兎も角、この格子さえ外してしまえば、後は簡単に脱出することが出来るだろう。

 私は鉄の格子をまじまじと見詰めた。どう壁と接着しているのか──。

 金属製のネジで留められてあった。

──しかも、そのネジ穴は通常のプラスマイナスのものとは異なる形状をしていた。

──いや、そもそもネジは一つではない。その一つひとつが異なる形状のネジ穴をしていた。

『星、四角、三角形、丸、二重丸、六芒星』の六種類である。


 なんだ、これは──!

 初めて見る形状を持ったネジに、私は舌打ちをする他なかった。

 ネジ穴に嵌まるドライバーを探すにしても、六種類必要である。

 そんな悠長に探している時間などない。

 ないのだが──。

 ここを重点的にやると決めたのは、私だ。タイムリミットが迫っているので、今更方向転換なんて出来るわけがない。


「あー、もうっ!」


 私は苛立ち髪を掻き毟りつつも、ドライバーを探して家の中を走り回ったのであった。

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