第24話 予期せぬ援軍

プレートガイアから逃げ、自壊させる事に成功した俺とオルカマン。しかし巨人は再び復活するのであった。


「なぜだ!対象となるクリーチャーはいないはずだぜ!」


「マサル。胸のコアを見てみろ。」


「はは…そういう事かよ…」


奴のコアに人間の腕のような物が見えていた。おそらくクリーチャーにやられたメラノ市民の物だろう。

…奴は、人間を緑属性のクリーチャーとして維持コストにしたのだ。


辺りを見渡すと奴の後ろに十数人程の遺体が転がっている。これだけあれば10ターン以上は余裕で稼働できるだろう。


ただ、そんなことよりも…


「お前…メラノの人達を…許さねえ!」

無辜の人々を殺した奴への怒りに俺は突き動かされていた。


「落ち着け!この崖上を行けばあれを素通りできる。気持ちは分かるが、今は主を探す事が先決だ。行くぞ。」


「いや、こいつを倒す!ドロー!」

オルカマンの忠告を無視し、奴に飛びかかる。

俺には一つだけ勝機があった。


『オルカ魚雷』

コスト3 水属性 ATK200 DEF100

①フィールド上にオルカマンがいる時発動できる。このカードを墓地に送り、相手フィールドのクリーチャ一1体を破壊する。

②コスト3を払い、手札のこのカードを墓地に捨てて発動できる。相手の表側表示の魔法カード1枚を破壊する。


こいつを引く事ができれば効果により巨人を破壊できる。しかし…


『ディメイションクロー』


はずれだ。これでは太刀打ちできない。俺の旅はここで終わるのか…


ドッドッドッドッ!

崖下から馬の足音が聞こえてきた。


「な、なんだ!?」


崖下を覗くと、馬に乗った二人の騎士がプレートガイアに向かっていた。

なぜ騎士と分かったかって?とても立派な銀色のフルアーマーを着けていたからだ。

一人はがっしりとした体型で、手には日本刀のような武器を装備している。いや、柄の先から刀が三叉に分かれているため、日本刀と呼べるものなのだろうか?実質3本分の刀のため振り回すのが大変そうだ。

もう1人は細身で、手には長槍を持っていた。ほかに特徴といえば、髪が長いようで頭の後ろからポニーテールのような結び髪が出ていた。


「グオオ!」

そんな彼らに46億年スマッシュが襲いかかる。

ズドーン!


シュン!

シュン!


彼らは馬の上から飛び上がり、華麗に『ガイアスマッシュ』を回避した。


タン!タタタタタ!

タン!タタタタタ!


そして、彼らは別々の腕に飛び乗り頭で駆け上がった。


「すげえ…」

俺はその素早い動きに見惚れてしまった。


タッ

タッ


そして巨人の頭上に飛び上がり、


ズバァッ!

ザシュゥ!

ズシャーン!


斬撃と突きによるコンビネーションで、ステーキのように巨人の首を落とした。


「助けてくれてありがとな!」

崖の上に降り立った2人に手を振った。


「無事で何よりだ。護衛をつけるから、すぐに避難してくれ。我々はメラノに巣食う怪物達を倒しにいく。」

男は淡々とした口調で話してきた。


「俺たちもメラノに用があるんだ。一緒についてきてもいいか?」


俺はガントレットにカードをセットし、

ディメイションクローを召喚した。


シュイン

「クエー!」


「この通り、俺も戦えるからな。」


「ほうほう。召喚士でござるな。

ミサシ殿、きっとあの人が探していたお方でござるよ。」


女はこちらをまじまじと見つめてきた。それにしてもあの人って?…やっぱり…


「間違いないな。後は本人に確認を…」


カニカニカニカニ!

特徴的な足音が谷底から響いてきた。

「丁度いいタイミングで追いついたな。」


ガッ!

太陽を覆い隠すかのようにそれは現れた!


「探したぞ!遊導 勝!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る