【とっても昭和な真夏の大運動会(夏季オリンピックのことだ!)】

 前話では『次は、誰がオリンピックを動かしているかという、いよいよ核心のお話し、だ。マラソン会場札幌変更はオリンピック夏開催にこだわるヤツに原因がある。そういう話しで次回に続く。』などと書いたが、これを書く前提として「オリンピックを真夏にやるんじゃねえ!」という考え方が市民権を得ていなければ意味が無い。そこで予定を変更し〝これをまず書く〟ことにした。


 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長森喜朗を攻撃する際使われたのが〝昭和(しょうわ)〟ということば。

 古くさくて遅れたものの代名詞として、この固有名詞を使って攻撃する者はけっして珍しくなかった。

 さすがに欧米メディアが〝昭和〟などとは言わない。このパターンの攻撃者は専ら日本人だった。

 或る時代を揶揄し貶めるような言説はそれだけで反吐が出る。これを使えるのはきっと『昔より今の方が優れている』と頭から信じ込めるようなある種頭の幸せな人間なのであろう。『今は昔よりも悪くなっている』という考え方はできないのだ。


 あまりに腹が立つのでその言説、こっちで利用させてもらう。


 昔々昭和の頃、中学や高校の運動部系の部活は真夏の炎天下の中でも部活動をしていたという。たぶん巨人の投手コーチの桑田さんに訊けばいろいろ教えてくれるであろう。


『オレは運動系の部活じゃないよ』という人でも、運動会、体育祭には確実に巻き込まれていたはずだ。

 この現代、運動会・体育祭は5月中旬から下旬、即ち春(というか初夏)に行うのがすっかり主流派となった。昔は9月下旬か10月上旬、秋だったのにいったいなぜ?

 それは運動会・体育祭の練習時間の問題だ。秋開催だと夏休み明け直後、残暑厳しい炎天下の中練習を強いられる。熱中症で倒れる生徒児童は必ずといっていいほど出てくる。

 それを避けるためには、運動会・体育祭を5月にずらすこと。これなら生徒児童が熱射病で倒れることが防げる。

 なんとも生徒児童の人権に手厚い時代になった。いやあ素晴らしいねえ。


 あれ? ところで夏季オリンピックはいつやってたっけ?


 7月下旬から8月中旬にやってるじゃねーかっ!


 真夏も真夏、夏のど真ん中。本大会を秋に行っていた昭和の運動会よりなお酷い。

 水泳競技は真夏の方がいいだろう。しかし陸上競技を真夏に行うなど狂気の沙汰。正に選手の人権をまったく顧みていない。

 真夏に運動をやらせるなど正にザ・昭和だろう!


 森喜朗を『昭和』という語彙を使って攻撃していた連中は真夏に夏季オリンピックを行うことにしているヤツに対し今すぐに攻撃を開始しろ! 『昭和の価値観だ』と言ってな!


 オリンピックを真夏にやることを強いているヤツがもう誰だかみんな解っているのだから。

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