第5話ケダモノ第五世代にて自らを知る

 自らを知るには同じ形のケダモノが複数いて、自分もその一種であると出来なければならないが、問題はそんなものではなかった、ケダモノは果てしなく広がる大地に海に、巨大なアーチをして立っているなにがしかであり、見る人が見ればそれを生命と称することも無かっただろう、だが、それは第一世代あたりの話になる、第五世代は明らかに数を増していて、それぞれ歪になった、加えられた手心とは形という名の呪いであった。

 よってケダモノたちは互いの差異によって、違う意識、違う心を持つが、その形としてはアーチを基本としていてその表面の凹凸かあるいはひねりが加えられてるかなどの、陶芸をかじったものがする、粘土のきれっぱし、こねくり回したかのような形態である。

 それに魂が宿っているというからたちが悪い、要するにごくごく原生にちかい、はじまりの種族を身に称えたままおおよそ進化という名の系統樹から考えて先に巨大な骸ありて始まる、分裂を繰り返すことにより我々のもとに降りるという、なんとも言えないケダモノの形質である。

「筆舌」

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