第17話 彼の体調不良

「まだ調子悪いの?」

 彼はまだ、なんか元気がない感じだった。

「うん、なんだかね」

 彼がどこか力なく答える。

「だから、お医者さん行った方がいいって言ったじゃない」

「うん・・」

 それでも彼は、煮え切らない。

「お医者さんに行った方がいいよ」

「う~ん」

 それでも彼は唸るばかりだった。

「ちょっと診てもらうだけだから、ねっ、行こ」

「う~ん・・」

 彼はやはり腰が重い。

「ねっ、すぐ終わるよ」

「う~ん」

「ねっ、ねっ、私も一緒に行くから」

 私はそんな煮え切らない彼を強引に説得し、彼を近くの小野医院に連れて行った。

「なんだって?」

 診察室から出て来た彼に私はすぐに訊いた。

「風邪だって」

 彼はぼそりと言った。

「ほっ、よかった」

 私は胸をなでおろした。

「よかったじゃん」

 とりあえずよかった。大事が無くて。

「うん、まあね」

 ぶっきらぼうだったが、彼も少し、ほっとしている様子で私の横に座った。

「帰り、なんか食べてこうか」

「うん」

「食欲は?」

「うん、それはある」

 私たちは、その帰り久しぶりに外食をした。駅前のラーメン屋だったけど。

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