第4話 カウントダウン

 わちゃ今日のミーティングで、


「昨日の報告です。ユイちゃんが初指名1時間、頂きました!」


 つ発表されたや。


 みんな拍手してくれて、嬉しかったま〜〜。


「今日も頑張ってね! これで!」


 昨日あみ出した、「かわいい笑い方」のポーズをしいち。


「うす!」


 わちゃもポーズを取る。


 笑いが起きと!


「それと、今日この後面接があります」


 面接?


 わちゃ入ったとこだげん、また面接かい?


 面接に来たのは、かわいらしい若い女の子じゃ。


 10代の子じゃろなあ、思いちゃ、18歳の大学生みてーじ。


 ついつい気になっちーて、聞き耳立てんちよ。


 もう後輩が入りよる……1人も自分の客なんかおらんに……。


 あんな若けえかわええ子、すぐ指名取ったりしよるわねえ……。



 ……わちゃも、気張ろ。


 今日も、ミーティング後の時間に、面接気にしつつメールやらラインやら送ってみゆ。


 ほな、1人返信来おうた。


「今は繁忙期なんで、落ち着いたら行きますね!」


 こりゃー……どう返すんがええんや。


「わちゃどやんだすんど、まげーええがねさんだんが、良さんがやんねねさ、とんす」


 これでええじゃが?


 ちょうどま、エミリさんがこっち来よったわ。


 面接終わったんど。


「エミリさん、メール見ちょんさ」


「はいはい」


「どう返しゃんすが正解ざ分からんちね」


「……意味が分からん!! ……あ、これ、そんなに真剣に考えて返す必要ないよ」


「で? せっかく返事きとーのに」


「これ、来る気ないもん。……あ、これは? 返したの?」


 どりゃ。


 あー、こっす。


「来週の金曜日なら、行けそうです」


 なんや、そなん先延ばし。


「こげん、ほっとってら」


「これこそ、毎日メッセージ送らないと!」


「毎日?」


「ほら早く! 来週の金曜日が待ち遠しいってハートいっぱいで!」


「毎日それで良げか」


「全く同じでいいわけないでしょ! カウントダウンすんのよ! あと何日で会えますね、楽しみ、ってさ」


「がはははは、大晦日った」


「もーそれでいいわ、あと何日ですねって毎日送りなさい! 来るから!」


「予言者ねーエミリさん」


 まあ、エミリさんが言うなら送っと。

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