第3話 朝の時間 身体に意識集中して描く

何だか冷蔵庫の中に放置されているような冷えを感じ眠りから覚めた。


寒さに耐えきれず、布団の中で膝を抱え込んだ。身体の冷えが少し回復したところで 目を開き仰向けになって天井を見上げた。次の瞬間、シーリングライトの眩しさに目を細めた。


「ああ 昨日寝落ちしたんだ」


毎晩 スマホの天気予報アプリで翌日の気温をチェックする。今朝の最低気温は午前4時で3℃と表示されていた。いつものパジャマの上に流行りのモコモコウエアを着て万全を期したつもりだった。。しかし予想以上に冷える。


ベッドから視界に入る位置に置いてあるアナログの目覚まし時計に目をやった。針は4時を指していた。


寒いのを我慢しながら、手だけをベッドから出して、サイドチェストの上にある温風ヒーターのリモコンに伸ばし、スイッチを押した。その手を素早く布団の中に引っ込めて温めた。。。


温風ヒーター本体のスイッチ付近で25℃という文字が点灯した。温度設定を25℃にしているのは、行きつけのスーパー銭湯の室温が25〜6度に設定されていたのを参考にしているからだ。たしかに着替えるにはちょうどいい温度だと思う。


温度差が大きい為か、温風がフル回転で吹いてくる。2〜3分すれば室内は設定温度になるはずだ。


『緊急事態宣言』が発令になる直前に、お篭り生活を充実させようと、最新型の温風ヒーターを購入したのはどうやら正解だったようだ。


体温が少し上がったのか、爪先や指先に血液が流れ込む感覚を感じるようになったので、やっと起き上がる気持ちになった。


布団の中で靴下を脱ごうとしたら、踵と指先のざらつきに気がついた。いつも湯上がりにクリームで手入れはしているものの、どうやら更なるケアが必要だと悟った。


思わずスマホを掴み、フットケア用品を検索し始めた。



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