隣の勇者(幼馴染)が死にそうで怖い!?

黒いヘアピン

第2話 異世界の幼馴染

…というのが俺が転生するまでのモノローグだ


あのあと女神様から転生する時に幼馴染(勇者)を支える為に必要な力を授けるとか言われて血がどうとか特別な魔法がとか言われたけど小難しくて理解できないままこっちに転生した。


その後、女神様が言っていた未来の勇者が隣の家に生まれたのが俺が生まれてから三ヶ月後、まだ生後三ヶ月俺は見ることができなかったが生まれた瞬間に後光がさしていたらしい彼(勇者とか言ってるし男だろう)と幼馴染として共に成長してきた。そして…


「カイ〜ビルおじいちゃんが魚がいっぱい取れたから取りに来いって〜」


「わかった。今行く」


「いつもなら後で行くって言うのに珍しいね!でも一緒に行けて嬉しいよ」


こいつが件の幼馴染、名前はレイ・ホワイト

背は165くらいで体重は知らん。誰彼構わず優しく接する心、誰とでも友人になるコミュ力、太陽の光を受けてキラキラと輝く金髪にエメラルドのような瞳と中性的でありながら美しい顔立をもつ我らが幼馴染勇者様だ


ちなみに誰得だろうが、俺は身長175cm位で体重は知らぬ(この世界体重計がない)中肉中背でレイには劣るがそこそこイケメン。髪色は基本黒だが生まれつき深紅のメッシュが入ってる、後驚いたことに右の瞳が深紅、左の瞳が暗い黄金のオッドアイだったりする。

女神様どうでもいいけど属性盛りすぎでは?



「まあ今日は『天啓の日』だからかもな。

後、レイそういうのは好きになった女性に言うもんだぞ。男に言ったってキモいだけだ」


「そんなこと言わないでよ!!僕はカイと一緒に行けてすごく嬉しいよ」


「あーハイハイ。俺も嬉しいですよー」


「ム〜なんか雑だな〜」


「そうだなまあ16年間も一緒にいたらこんなもんだろ?」


「そっかな?まあでも僕たちもついに16歳だもんね。どんな適性があるのかな?」


と会話から分かる通り俺たちの世代の

『天啓の日』までの16年間こいつを支え守ってきたのだ。まあ守ると言ってもこんな平和な村で守るなんて必要はなく、たまに食事を作ってやったり掃除をしてやったりと世話を焼いてただけなんだけどな


ちなみに『天啓の日』ていうのはその年16歳になる子達が集まって女神様からそいつの持ってる様々な事柄に対する適性を教えてもらう日の事で転生前に女神様に言われたがレイはこの日に勇者になる天啓を授かるらしい


にしたって女神様もなんでこんなことしたんだろうな?別に俺が居なくたってあいつは普通に生活出来てたし支える意味もなければ守る必要なんて全く無かった。


「…ィ! …イ!! レイ!!!」


「うおっ!?」


「やっと気づいた!それでずっと黙ってたけどなんか考え事?」


どうやらかなり考え込んでいたようで

もうビルじいさんの家まで目と鼻の先だった


「うんにゃ。なんでもない」


「そっか。でも本当に困ったらちゃんと言ってね!なんたって幼馴染なんだから」


「あぁ。なんかあったらな」

(これで俺の任された仕事も終わりだしこれからどう過ごすかな。)


この時の俺には知る由もなかった。まさか俺がこいつを守らないといけなくなるのがこいつが勇者になってからだったなんて…

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