えちきす!〜幼なじみの真絶美少女をナンパから救ったらいつの間にか唇を奪われた件について〜

金魚屋萌萌(紫音 萌)

プロローグ ナンパを助けよう

 ぼくは街中をぶらぶらと散歩していた。

今日は休日、地元の繁華街はそこそこ賑わっていた。

 ふと、視線の隅に見慣れた顔があるのに気づく。


「ちょっと、やめてください!」困った様子で言っているのは小学校からの幼なじみ、御伽原プペ子だった。


「いいじゃん、お茶ぐらい付き合ってよ〜」そういって彼女の腕を掴んでいるのは……誰だろう? 金髪で目つきが悪い……ヤンキーかな? ヤンキーでいいか。じゃあナンパされてるみたいだ。もう一人彼女を挟むように茶髪の男いるし。


 まあ、彼女を見たらナンパしたくなるの無理もない。褐色肌でショートヘアの彼女は今までに比肩する物がないほど美人だった。見つめられるだけで恋に落ちるという都市伝説まである。僕は信じないけど。 

 

 あとスタイルもチートみたいにおかしい。胸が大きい上に腰が両手で包めるぐらいに細い。この間やったらぎりぎり届かなかったけど。


「あっ! カイト! 私彼氏とデートの約束なんです!」あ、巻き込まれた。しかも目があって一目惚れしかけた。親の顔より見た瞳なのに。


 ……他人のフリして逃げたかったけど、後日ビンタされそうだから仕方ない、そちらに向かって歩く。


「かいと、待ってたよ〜! 早めに集合したらお茶に誘われちゃって〜! でも君との先約があるから」彼女は僕の腕を取り胸に抱く。うわ柔らっ……なにこれやばい。


「あ? お前どちら様ですか? いまナンパしてるから邪魔しないでくれます?」ヤンキーの金髪がこちらをにらみつけてくる。ちょっと怖い。僕より身長低いけど。なんで敬語?


 でもここは彼女のため、僕は勇気を絞り出して言う。


「いや、僕は彼氏違います」

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