第4話 恋する学園?

「レモン様。今日の授業……」

「あぁ、問題はない。でも、マカロ-ニの奴、やけに優しかったな」

「はい、学園一厳しいマカロニ先生ですが、今日は終始笑顔で――」

「おかしいよな?」

 レモンは腕を組み考えた。

「……あの感じ。あの感じって、まるで恋する乙女みたいじゃないか?」

「えっ? 私とレモン様以外、全員恋をしているってことですか? あの、マカロニ先生も?」

 白くなった髪をお団子にし、化粧っ気もなくジャージ姿で現れる。授業中、少しうわの空でいると「そこのあなた!!」と金切り声で注意。恋とは無縁と思われるマカロニ先生である。

「あり得ないよな」

「あり得ないと思います」

「だよな――」

 レモンは頭を抱えた。この魔法学園に、なにか、なにかが起きている。しかし、違和感の正体が全く掴めないのだ。

「アスパラ、まず、みかんを探るぞ」

 みかんは、アカシック・レコードについて図書室で自主学習していた。レモンが声をかける。

「みかん、随分と熱心だな」

「あっ、レモンお姉さま。私、小学生の頃『エドガー・ケイシー』に憧れてたんです。彼のようにアカシック・レコードに繋がれたら、クライアントさんの悩みをすぐに解決できるでしょ。この技術だけは、絶対にマスターしたいんです」

「ほぉ、意外だな。私はてっきり、『天使系白魔術師』になると思っていたんだが……。ところで、みかん。好きな人いるか?」

「いいえ。白馬に乗った王子様待ちです♡ 急にどうしてそんな質問を?」

「いやぁ、なんか今日は綺麗だなぁと思って。恋でもしているかなっと、アスパラと話してたんだ。なぁ?」

「はっ、はい」

 嘘が苦手なアスパラのぎこちない返事である。

「あぁ、それならきっと、昨日の夢のせいですね」

 

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