もちろんよ。ここはヴァーチャルの世界なの。



第3皇女~スタンフォード・アリア~@Aria₋Stanford


下民ども、ごきげんよう♡


今夜も、マリモ64をプレイするわ★


来ないと、許さないからね。


https://www.youtube.com/watch?v=wdsVV


 


♲2     ❤6


 


昨日に引き続き、マリモ64をプレイしている。


なぜ、雑談配信を行わないかというと


リスナー0人状態だとコメントがない状態で話し続けてしまい、間が待たない。


ゲームだとコメントがなくとも画面が動いているため、とりあえず間はもつのだ。


雑談はゲームしながらでも可能であり、雑談単体でとる必要性は薄くなってしまうのだ。


声真似配信を行っていた時、雑談配信で全くコメント無い虚無配信を行った実体験から来る持論である。


 


アリアちゃんの配信スキルでは雑談配信を行えるだけの実力はないと考えている。


昨日の配信は視聴者が5人くらい来ており、コメントを常に打ってくれていたから間が持っただけだ。特に水饅頭さんには助けられている。


トークスキルもリスナー数も安定していない状態では、雑談配信をアリアちゃんに勧めることはできない。


 


いろいろと考えていると、配信の時間に入った。


 


 


――――――――――――――――――――――


 


 


「おっほほほ、ごきげんよう。ロングケープアイランド王国の第3皇女~スタンフォード・アリア~ですわ。


下民どもとマリモ64をプレイさせてもらうわ。」


アリアは今宵も高貴かつ自信をもって発言している。


 


水饅頭:今日は、配信開始前から来ましたよ。


にゃんにゃん丸:こんばんは!


 


配信開始ともに視聴者数2人と表示されて、コメントも少し出ている。


視聴者数0人ではないため、アリアは少し安堵した。


 


「おっほほほ、水饅頭とにゃんにゃん丸は私の配信を楽しみなさい。」


 


「それよりさ。ゲームのどう行動しましょうか?


山のステージを進める?それとも1枚のパワーストーンを持っているし、城を探索する?」


 


水饅頭:私はどちらでも構いません。


にゃんにゃん丸:城の探索すればいいんじゃないかな?あそこの山のステージは、積んだ時にパワーストーン稼ぎに来ると思うし。


 


「城を探索していくわ。


とりあえずは、パワーストーンが1枚あればいける扉があったからそこに向かいましょう。」


 


パワーストーンが1枚以上もっていないと開かない扉にマリモが手をかざすと心地の良い効果音が出て、扉が開いた。


 


「このゲームは、効果音とか演出が凝っていて、やっていて楽しいわ。」


 


水饅頭:そうだよね。このゲームで楽天堂は世界の企業になったからね。


たくわん:効果音がすばらしいよね。このゲームを参考にして効果音とか作っているって言っても過言ではないからね。


 


マリモは部屋に入ると、海底をイメージするような絵画が飾られていた。


 


「また、この絵で異世界転移されるのね。」


わくわくした感じでアリアは言いながら、絵画の中に入り込んだ。


暗い洞窟の中の入り江で、海賊の財宝などありそうな神秘的な雰囲気がでている。


 


「すごいわね。山の次は海か。」


入り江の神秘的な雰囲気に感動しているアリアは思わずうっとりしている。


 


水饅頭:ここのステージの雰囲気は好きだわ。


たくわん:海賊が好きな自分にとって、一番好きなステージです。


 


「そういえばさ、山と海のステージをしているけどさ。みんなどっちはなの?


私は海派ね。だって、私の国は海に面していて海の食べ物がおいしいから。」


 


ちなみに、魂である私も海派である。


長崎の遊ぶ場所は野母崎や脇岬などの海でよくあそんでいたからである。


 


 


 


水饅頭:アリア様、すみません。ひきこもりなのでインドア派です。


たくわん:山かな。昆虫とか好きだし。


にゃんにゃん丸:海はトラウマがあるから山ですかね。


 


「にゃんにゃん丸さ。トラウマってなにかあったの?


言いたくなかったら、遠慮しなくていいわ」


アリアはにゃんにゃん丸のことを心配そうに気にかけていた。


ただの傲慢な皇女様としか思っていた私はこの心配しているアリアちゃんの姿にびっくりしてしまった。


 


にゃんにゃん丸:ここなら言える気がしますから、言っていいですか?


 


魂である私は、にゃんにゃん丸さんはいつも敬語を使っていない印象がかなり強かったため。いきなり敬語を使うということは相当重いトラウマが持っているのではないかと考えている。


 


「もちろんよ。ここはヴァーチャルの世界なの。


リアルとは少し違った歪んでいるけど素敵な世界よ。


誰もいない世界だからさ、遠慮なく語りなさい。」


アリアはわたしなら受け止められると自信は丸出しである。


 


魂である私はその発想がでなかった。


リアルの世界とは違ったヴァーチャルな世界に来ており、みんなは現実から逃げたいという気持ちが少しはあるんだ。


私だけではなく、ここのリスナーもそうだったのか。


つまり、ただのネット配信だからではなく、そういうのを心の底では求めているのか。


一瞬、山田に体操を無理やり押し付けられたリアルを思い出した。


改めて、リアルは窮屈だなと魂の私も思ってしまった。


 


にゃんにゃん丸のトラウマを受け止める覚悟をアリアは作っていた。


 

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