闇の中の独り言エッセイ

おしゃれ泥棒

死にたい気持ちは幼少期から

 幼少期の傷は、人生のあとあとまでずっと残り、トラウマになり、ひきずる。

 社会人になってからも小さかったころの辛さは忘れられず人生に影をおとす。わたしの体験は、決していいものではなかった。とてもマイナス思考で、世の中辛くて仕方なくて悪いことがおこると、私自身の根本は暗いんだからどうしようもないと諦めてしまい戦うことをしない。

 小さいころのトラウマは今でも、子供時代の黒歴史として鮮明に覚えている。


 小学校三年のとき、私は死にたかった。


 ここでは、そんな思いをすべて吐き出して、そして浄化しようと思う。



 キラキラした明るさに出会ったとき、私は恐怖を感じる。人としての根底を覆えされるんではないかと思うからだ。


 私は、根元が暗い人間だ。だから、キラキラした明るさがまぶしい。目がくらみ、閃光団でも当てられたかのように何もみえなくなってしまう。目が壊れる。人間姓が壊れるような気になり、恐怖を感じる。




私には友達がいない、いや、似た者同士はいるのだが、違うタイプの人はいない。世間ではすごく楽しい人がたくさんいるが、私は違うタイプの人間だ。

 楽しすぎて、恐怖を感じるとき、私はどうすべきなんだろうか。回りの空気を壊さないように自分も明るく演技し、それでうちにかえってきて、自分を本当の自分を解放する




 恐怖を感じる理由は、明るい自分を演技していても、すぐにばれて、あいつは暗い、面白くないと、無視され存在が消され、空気のように扱われるんだろうなという予想からくる。

 幼いころ、そうだった。父親は不在で、仕事で忙しく家族を省みなかった。父親の仕事の都合で、わたしはかなりたくさん転勤を経験し、どこへいッても友達ができず、寂しい思いをした。さらに声かけてくれる友達がいても、その子のことをつまらないと思いずっと心が開けなかった。窮屈だった。やりたいことができない、遊べない。夢中になれない。そんな乏しい経験をした。

 時間だけ過ぎていきわたしはアニメばかりみて成長した。仲間同士、キラキラした記憶がない。怖がりだから。話しかけて、無視されるのがどうしても怖いからだから、話さない。空気になり、空中をただよい、本心では皆の仲間にはいりたいのに、できないという不満がものすごいたまって、不健康だった。


 小学校三年のころ、誰とも話さないで学校へいき、帰ってくる、というのを繰り返していた。いつも、一人きり。回りのみんなが放課後楽しく遊ぶのを尻目にわたしはいつも独り。

 みかねた母が、合唱団にいれてくれた。そこで、わたしはいじめられた。髪を結ぶゴムをとられて、返してもらえなかったのだ。今思えば、かわいらしいイタズラだったが、日頃の信頼感がないから、それはきついいじめに思えた。女の子のグループって残酷で、こちらの気持ちをわかってその上でやんちゃしてくる。

 でも、合唱団で、歌の素晴らしさに出合えたことは、私の人生にとって収穫だった。ハモるときの高揚感。アルトとソプラノが、掛け合いをして曲を紡ぎ出す。違うメロディラインが共鳴しあって、ホールに響き渡り、圧倒的な美しさを演出する。

 音楽は素晴らしい。そこにダンスなんか加わるとさらにいい。

 歌った曲は主に合唱曲だったが、ミュージカルなんかにも挑戦した。CATSだ。摩訶不思議な音階を繰り返し聞く人を魅惑の世界に招く曲。猫の耳をつけ、しっぽをつけコスプレを楽しみながら、歌うスキンブルシャンクスは最高に楽しかった。私が音楽に救いを感じたのは確かである。


 とはいえやはり孤独は辛い。独りではハモれない。私はいつも悲しみと背中合わせでたたずんでいた。寂しく辛い。構ってほしかった。誰でもいいから遊び相手が欲しかった。

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