#6 まぁ、聞けや。

世話焼きジジィの出番だよ、っと。


はーい、通りますよっ、と!


あんちゃん達に、トニーから聞いたID言って。


っと。


…あの野郎、あんな目に遭うのァ二度とゴメンだ


っつって俺の誘いをハネやがんの。


で、おう、元通りンなったじゃねぇか。幾らした


んかね?つって話しながら俺ァ、ジョニーについ


て改めて、ヤッコさんに聞いたのよ。


で、まぁシラ切るわけだ。まだ。


『そんなこと言わねぇでさぁ』


下手に出よう。兎に角。


…どうしたと思うよ?


殴りかかってきたよ。芸がねぇなぁ。


スルッと避けて、俺も1発、見舞った。


俺もまだまだ若ぇもんには負けてねぇな。


ダァーーーって、宙を舞って


そのまま、床を滑ってったよ。


アイツ、体勢立て直したんで


『おっ、やり返すかな?』とか


思ったんだが、さに在らず。


今度ァ、べそかき出したよ。


俺が目ェ丸くしてっと、勝手に話し出しやがった。


要はジョニーの野郎は、あの夜、ただコイツに


ギャングから足ぃ洗うように説いた訳だ。


せっかく生まれたんだから、とか


チャンスはいくらでもある、とか


そういう話をしたんじゃねぇのかなぁ?


アイツの事だから。


だのに、こいつァ耳を貸さなかった。


だが、ジョニーが殺されたのぉ知って


少ォしだけ、後悔したんだと。


そうしつつも、そっから抜け出すのァ難しかった


んだそうだ。


コイツなりに、テメェの商売に「魂」掛けてたって


事じゃねぇのかなぁ?


少なくとも、俺ァそう思いたいねぇ。


ギャングは兎も角、クラブのオーナーって


大事なもんがあるからな。


こいつァ殺ってない。目ェ見りゃ分かる。


そういうもん。何となく。


…まぁた振り出しかぁ。


とか思ってると、ジョーダンは、


ある情報をくれた。


ジョニーにゃ何と、娘がいたらしい。


本人から聞いたことがあるそうだ。


俺も知らんかった。


…娘かァ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る