続カラスのうた

恋のブルーインパルス

 今日もカラスが飛び回る。


 明けの空から飛び回る、元気いっぱい飛び回る。


 隊列組んで飛行かと、思って見上げた早朝の、キィンと冷えた空気を裂いて、ガーと鳴いては先頭の一羽ひたすら追いかける、連隊飛行のカラスが三羽。


 どうも様子がおかしいと、しばらく見つめるその先で、先頭カラスがひらりと返す。綺麗な綺麗な飛行機雲コントレイルを描くかの、如くひらりと身を返す。


 するとすかさず追随の二羽も慌てて旋回し、付かず離れず追いかける。

 ガーと鳴いては追いかける。


 おやおや、あれはもしかして?


 一羽に対して追いかける、二羽のカラスの求愛飛行?


 じっと見つめる空の先、ぐんぐん昇る太陽の、陰に日向に飛び回る、三羽カラスの連隊飛行。

 追随カラスはお互いに、牽制しあって飛び回る。息ぴったりに飛び回る。


 そうかそうかと納得し、窓のこちらでニンマリと、一人脳裏に浮かぶのは、いつぞや懐かし恋ダンス。キレキレ飛行の恋ダンス。


 まだまだ冷え込む早朝の、空を元気に飛び回る。

 必死のパッチの恋ダンス。

 飛行技術は言わずもがなの、連隊飛行でひとっ飛び。


 この時期ばかりは餌場より、相手が気になる恋ガラス。

 シンクロ飛行もバッチリ決めて、はてさて結果はどうなるのやら。


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 どうも、ご無沙汰しています。


 まだまだ冷え込みの厳しい二月ですが、お空では目眩めくるめく熱戦が繰り広げられているようです。

 以前の住居より眺望が拓けているので、カラスもカラス以外も観察し甲斐があります。


 そんなわけで、シーズン2「続カラスのうた」ゆるーく始めます。

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