第8話シャンソンとの出会い③

 当然津軽民謡には家元に休暇をもらってシャンソンに熱中したものだが、しばらくして家元自身も体調を崩して数年後にお亡くなりになったが、その間も門下生の一人としてと、個人的な深いお付き合いとしてたびたび療養中の自宅を訪問した。

 札幌の佐々木孝師匠も、20歳以上も若い義弟に先立たれ、消衰のの様子であった。

 そんな中でも本業の方は若い連中に任せ、シャンソンにのめりこんだのであった。

 その事が多少なりとも鉄工所の経営や若手の育成やその他諸々の問題が有った事も自覚していたが、なかなかその場面になると二兎を追う者は一兎をも得ずのようにはならないものだ。

 

 本来であればシャンソンについても、もっと明確な結果を残すべきだったのが、内部的な意見の違いや分裂が起きたりと、当初の思惑とはかなり違った結果になってしまったが、事実を認める事しかないのだ。

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