第2章・仲間だから

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後ろのセットをいじったり撫でたり拭いたりしてる管理人。

とにかく動き回ってる。

完全アドリブシーン。ため息くらいはつく。

少し経ったらエルギアとイチカ登場。


エ「カンリく〜ん!この子、例の新入りね!」


管「あぁ、やっと来た。ありがとう。君が今日来た子だね」


イ「た、髙山一架です。よろしくお願いします」


管「へぇ、礼儀正しい子だね。エルギアとは大違い」


エ「はぁ???」


管「うん、イチカだね。こちらこそ、よろしく頼むよ」


エ「お〜い聞いてる???……はぁ、今日はもうオレ帰るよ〜」


管「了解」


エ「返事はや…あ、今日中にイチカに街の説明しといた方がいいよ」


管「はいはい、分かってるよ」


エルギア、手を振りながらはける


2 - 2


管「あいつ、お節介なやつでしょ?」


イ「はぁ」


地図を広げながら喋る

管「それじゃさっそく、街の説明をするね。これが街の地図だ。地形は難しくないし、店も綺麗に並んでる」


イ「たくさん施設がありますね…」


管「まぁ、一応街だからね」


イ「すごい…」


管「この街、危険なところもないから好きに探索していい。人も悪魔もいて、とても賑やかなところなんだ。みんなイチカを歓迎してる」


イ「歓迎、されてる…?」


管「もちろん。仲間だからね」


イ「仲間…」


管「うん。イチカ、すごい落ち着いてるよね」


イ「そうですか…?」


管「ここではありのままの自分でいいんだよ。怖いことも、悲しいこともない」


イ「ありがとう、ございます」


管「大丈夫、僕とイチカは仲間だよ」

地図を片付ける


イ「あ、あの」


管「どうしたの?」


イ「現実に戻るには、期限内に使命を達成しなきゃって…」


管「あぁ、そうだね」


イ「ずっと、ここにいる、のは、できないんですか」


管「……。しようと思えばできるよ。でも、期限が切れたら死ぬけどね」


イ「そう、ですか」


管「何、帰りたくないとか?」


イ「あ…いや…」


管「隠さなくたっていいよ。その気持ち、分かるから」


イ「分かるん、ですか」


管「分かるよ。とてもね」


イ「後は…難しそうっていうのも、あって」


管「ははは、そうだよね。自力で見つけるとか無理だよ」


黙るイチカ


管「…とりあえず、今日はここでゆっくりしていいよ。服とか靴とか、この部屋にあるものは自由に使っていいから」


管理人、手を振りながらはける


イ「あ、はい…。今ありがとうございます…」


暗転


2 - 3

イチカの夢の中


現実世界、

周りからの罵詈雑言はその場から言う


『どうしてこんな子になったの』

『あんたなんか私の子供じゃない』

『イチカちゃんてなんか変だよねー』

『なーんも喋んないし気持ち悪い』


イ『やだ…やめて…』


『お前いてもいなくても一緒じゃね?w』

『死ね』

『髙山が生きてる価値ってどこ?』

『お前が死ぬだけでみーんな喜ぶよw』


イ『やめて…やめて!!!!!』

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