第10話 新たな出会い

後ろから話しかけてきた声の主の内容は、私達が予想しないものでした。

それは、「あなた達一体何を話してるのかしら」

それに対し私は、

「楽しい内容ではないですよ。いや、ちょっと待ってなんで私達って聞いてくるの?」

私はなぜ彼女にバレているのか不思議に思ってしまった。この言葉を受けた彼女は楽しそうに、「そんなにいろいろと表情を変えてたらわかるに決まってるでしょ。ほらちゃんと私に何を話してたのか言いなさい」

私達は、バレることはないと思っていたのに、この言葉を聞いて驚いてしまった。こうなってしまったら応えるしかないだろう。多分だか応えるまで逃がしてもらえない雰囲気を感じる。

私は素直に答えた。

「単純に誰とも話せなかったから明日からどうするかを考えてたの」

それに対し彼女はつまらなそうに、

「何だそんなことだったのね。もっと面白いことを話してると思ってたのに。そう言えばまだあなたに名前を名乗ってないわよね。私の名前は秋風紅葉よ。そちらのお二人はなんていうのかしら?」

そう聞かれたので私は、

「私の名前は雪野小春よ。彼の方は夏凪裕也よ。それにしてもあなたの名前なんかそのまんまね。五秒で考えた感じがするのはどうしてなのかしら」

彼女は怒ったように、

「私の名前については触れないで頂戴。私もこの名前は少し恥ずかしいの」と可愛らしく答えた。

そんな中彼が私に、「なんでこいつ俺達に話しかけてきたんだ?」なんて聞いてきたので気になってしまいつい私は聞いてしまった。

「ところでなんであなたは私達に話しかけてきたの?」

彼女はこれに対し、

「あなた達が面白そうだったからよ。まだ私に隠してることがありそうだしね。さあ包み隠さずに私の隠してることを言いなさい」

ここまでばれているとは、まさか私ってわかりやすいのかなと思ってる時に彼が私に対して、「こいつに入っておいた気がいいと思う。もしかしたら手伝ってもらえるかもしれないし」と言ってきたのだ。

彼が言っていいというなら私も隠す理由はないので、彼女に対して、

「私達は、作家を二人で目指してるのよ。そのためにこの学校でイラストを書いてくれる人探しているのよ。だけどそれよりも友達がほしいけどね」と言ってやったのだ。

それに対し彼女は嬉しそうに、「そうだったのね。なかなか面白そうなことをしてるじゃない。せっかくだしあなた達私と友達にならないかしら?」

え、彼女はなんて言った。友達にならないかって言ってきたの。私はびっくりして聞き直してしまったのでした。「私達と友達になってくれる。でもなんで?」これに対し彼女は、

「だって私友達いないしあなた達といたら毎日楽しそうだからよ。あと私これでも有名なイラストレーターなんだからあなた達の目標もクリアできるでしょ」

私達は彼女の言葉を聞いてもすぐに理解することができなかった。

「え、あなたイラストレーターだったの?」

これによって私達は目標であった二つを一日でクリアしてしまうのでした。

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