その青は、最後の嘘

終わりを決めた恋人たち、と呼ぶにはもう想いが冷めすぎてしまった二人を描いてるのに。それを青に擬えているのに。
冷静に二人を見つめながら、文章の奥底に流れる優しいまなざしが、寒々しいだけではないどこか柔らかい可笑しみを感じさせる。

”青”だけでつながっていた、つながれていた二人の関係性の温度感を見事に書ききった短編ながら密度の濃い素敵な物語。