FFKT2022 #2【DJ NOBUとFumiya Tanaka】

 ダンスミュージック系のフェスとしての顔を持つFFKT。前回のAndy Stottに続き、今回もこっち系のミュージシャンをフォーカスしていきたいと思います。


 さてジャパニーズ・テクノの重鎮と言うべきDJ NOBUとFumiya Tanaka。と知ったようなテンションで書き出しましたが、勿論実際のプレイを見た事はありません。

 DJ NOBU氏については、YouTubeにてBoiler Roomをはじめ様々なステージでプレイしている映像が残っています。古いものや、去年(2021年)にDOMMUNEで行われたDJセットの映像(※多分違法アップロード?)など、割と映像自体は豊富にあります。熟練の技が渋く光る、間違いのないアクトをするDJという印象があります。

 対して、田中フミヤ(Fumiya Tanaka)氏の映像は多くありません。

 比較的最近の映像でも、昔ながらのターンテーブルとアナログレコードをメインに使用したスタイルでのプレイを行なっているようですね。ターンテーブル二台とCDJ一台を使ったスタイルですが、デトロイト・テクノのエッセンスを感じさせるめちゃくちゃかっこいいアクトの映像を断片的に確認することができます。


 僕にとって「テクノ」という音楽は、非常に理解の難しい音楽でした。というのも、小中学校とそれなりにアニメ好きだった僕は当時流行っていたニコニコ動画を通して平沢進を知り、そこに「テクノ」というジャンル解説が付けられていた事で平沢進的な音楽をテクノだと思い込んでいました。しかし、このテクノという言葉は非常に厄介で、後々に「テクノ」と「テクノ・ポップ」というジャンルの違いがある事を知りました。そして平沢進やP-MODEL、YMOなどはテクノ・ポップというジャンルに属すること、日本ではテクノ・ポップのことを口語的にテクノと呼んでしまっていること、音楽ジャンルとして「テクノ」と言った場合にはデトロイト・テクノを出発点とするダンスミュージックとしてのテクノを指す、という事を知るのでした。

 けれどこの答えに辿り着くまでは本当に長い道のりでした。UKの大御所・Chemical Brothersを知った事で「テクノ?」「ハウス?」「ビッグビート?」「ブレイクビーツ?」「ドラムンベース?」という様々な単語にごちゃごちゃになり、David GuettaやLMFAO、Pitbull、Calvin Harris、Aviciiといった10年代初頭のEDMムーブメントを知った事でより乱れ、最終的にdeadmau5に行き着く事で混沌と化しました。だってEDM特集にdeadmau5に名前が上がってたのに本人が「EDMなんて大嫌いだ」って発言してるもんだから事情も知らない当時の僕には???状態だったのです。また見分けもついていませんでした。

 今となってはdeadmau5がエレクトロ・ハウス系のミュージシャンという事は聴けば分かりますし、何がEDMで何がEDMではないのか、という問いに対してもそれなりに回答を持ってダンスミュージックに触れていますが、これを理解するまでは本当に長い時間が掛ったものです。


 僕が「テクノ」という音楽に興味を示した最大の理由は「交響詩篇エウレカセブン」というロボットアニメを見た事でした。ダンスミュージックからロック、様々なサブカルチャーのオマージュによって成り立つ同作は、作品としての完成度もさることながら、僕という一部の視聴者にサブカルチャーへの道を指し示してくれた稀有な存在です。

 田中フミヤ(Fumiya Tanaka)氏も、実を言うと「交響詩篇エウレカセブン」のオマージュ元の一つで、劇中のサブタイトル「アニマル・アタック」は同氏の楽曲「Animal Attack」から取られていたりします。

 そんな感じで、僕と「テクノ」は「交響詩篇エウレカセブン」によって固く結ばれています(?)。今から楽しみで仕方ありません。

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