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 明日提出の課題を忘れたのに気がついた時には、既に友達と別れたあとでどんどん周りが暗くなっていた。だらだら帰ってきた道を引き返している途中、ドキッとした。部活がオフであるはずの彼が練習着を着たまま、道の反対を歩いてる。噂されたり茶化されたりするのが怖くて、メッセージでやり取りするだけで話せない彼。そそくさと通り過ぎようとしたら、彼がこちらに気が付いて駆け寄ってきた。


「やっと、声掛けられた。」


「あぁ、うん。」


「こんな時間にどうしたの。」


「ちょっと忘れ物しちゃって。」


 そっか、と言ったあと、俺も行くってついてきてくれた。初めて直接話せた彼は、スマホの中の彼と同じように、明るくて優しかった。レギュラーになるために必死に練習もしてて、次の練習試合ではゴール決めるんだって。


「…後輩ちゃんとは上手くいってるの。」


「もう、バッチリよ。今度の試合も見に来てくれるってさ。」


「そっか、相変わらず仲良いね。」


 そう言うと彼は照れくさそうに笑って見せた。

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