第6話 告白

・・・・・・・・・その時はもうすぐ訪れる。・・・・・・・・・


空来への告白! 

結婚してほしいと初めて意思表示をする時が・・・・・・。


約束の時間が待ち遠しい反面、もし断られる事があるとしたらと考えると・・・。

サプライズプレゼントも万全の体制で整い、告白場所に59階にある展望レストランを予約していた。


予算的にはかなりオーバーとなったが、その一瞬の時間を過ごす場所として悩みに悩んで選別したレストラン!

遠くに大きな電波塔がライトアップしている。

ドレスコードはそれほど厳しくは無い。

それこそTシャツにGパンで無い限りはOKのレストランである。


約束の時間の20分前に待ち合わせの駅に着いた。

空来の姿はまだ無い。

「早く着きすぎたなー」

独り言だ!


手には花束とフォトフレームの入った紙袋。

サプライズプレゼントにしては、貧相な紙袋しか無かった事にがっかりしたのは言うまでもない。


時間が過ぎるのが遅く感じる。

電車がホームに着くたびにドキドキする。

空来はどんな服装で来るんだろう?

いつも白色系の色合いの服装が多い。


携帯を見ながら待っていると、いつの間にか空来が傍に立っていた!!


・・・・・・・・・・・・そりゃビックリ!!・・・・・・・・・


「ビックリしたーーーー」

「ごめん。待った?」

「今来たところだけど・・・・ただビックリした」


顔は引きつっていたのは周りの通行人でさえも分かるくらいだ。


「随分大きな紙袋持ってるのね?」


「あ、これは後のお楽しみで」


やっと冷静を取り戻した!


「行こうか」

「今日はちょっと良いお店見つけたからね」


「それは楽しみね」


一緒に電車に乗るのも久しぶりだ。

そういえばいつも歩きか車で移動するから・・・。


空来は電車があまり得意では無いと言っていたが、レストランは2駅先と伝えたら・・。


「一緒に歩いて行きたいな」

「時間は大丈夫?」


「そうする?」

「ちょっと待って、お店に連絡しておくね」


「ごめんね。一緒に歩きたい」


すぐにレストランに連絡を入れた。

先方は快く受けてくれて助かった。


「じゃあ行こうか」

「うん」


空来と歩く時は、必ず空来の右側を歩いた。

私は基本的には、車の通る方に自分が歩くようにしていたが、空来は決まって自分の右側に私を歩かせる。


もうそれも慣れた!


2駅を20分かけて歩き、お目当てのレストランに到着した。


エレベーターで59階まで行く。

エレベータのドアが開くと、すぐ目に飛び込んでくるのが電波塔だ!


窓際の席に通された。


「すごい景色だね。」

「高い所は大丈夫だよね?」


ここまで来て今更ではあるが一応聞いてみた。


「高い所は好きよ!むしろ得意かもしれないわ」


最高の笑顔だ!

凄く澄んでいる目、優しそうな笑顔に心を奪われたのを言い訳にするが・・・・。


「結婚してほしい!!」


いきなり何を言っているのか自分でも理解できるはずも無く。

何故なら、まだ水すら運ばれてこないからだ。


空来はというと、ビックリすることも無く軽く笑っている。


「どうしたの?何緊張してるの」


もし目の前にドラえもんが居ればタイムマシーンで・・・・・。







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