第52話 可奈子さんのバスト遍歴

 可奈子さんの実家のリビングにて、可奈子さんのご両親と談笑していた時。


「そういえば、可奈子さんの部屋ってどんな感じなのかな?」


 俺はふと思ったことを疑問にした。


「あ、冬馬くん。見てみたい?」


 お母さんが言う。


「はい。ぜひとも見てみたいです」


「どうぞ。2階にあるわよ」


「ちょっと、お母さんが勝手に言わないでよ!」


「良いじゃないの。おっぱい大きいんだから、器も大きくないと」


「も~、またそんなこと言って~」


 可奈子さんは年上のお姉さんだけど、可愛らしい顔がいっぱいある。


 けど、母親の前だと、より一層こどもっぽくて……新鮮だな。


「あの、可奈子さん。嫌なら無理にとは……」


「べ、別に嫌じゃないけど……ちょっと、恥ずかしくて」


「大丈夫よ。ちゃんと掃除してあるから」


「もう、お母さんは黙っていて!」


「まあまあ」


 ぷりぷり怒る可奈子さんが可愛いと思いつつ、俺は一緒に2階の部屋に向かう。


「可奈子さんの部屋、楽しみだなぁ~」


「別に普通だからね?」


 そう言って、可奈子さんは部屋のドアを開けた。


「おぉ~……」


 くんくん。


「ちょ、ちょっと、匂いを嗅がないで」


「これは……うん、ちゃんと可奈子さんの匂いで」


「変態トーマ!」


「ご、ごめんってば」


「もう~、エッチなのは、めッ」


「でも、可奈子さんだって、結構エロいじゃんか……」


「廊下に立たせるわよ?」


「か、可奈子さん……教師も似合うかもね。今度やってよ」


「本当にこの子は……また今度ね」


 よし、言質げんちを取りました!


「きれいなお部屋だね」


「お母さんが掃除してくれていたみたいだから」


「あ、可奈子さんのベッド……」


 俺はそれと可奈子さんの顔を見比べる。


「ちょ、ちょっと、まだ早いわよ?」


「じゃあ、また後でね」


「エッチ冬馬くん……」


 そう、もう開き直った。


 俺はエッチな男。


 優しい紳士なんて言われたりするけど、そうでもない。


 俺は変態紳士なのだ。


 と言う訳で、そのレーダーを作動させていると……


「むっ、あのタンスが怪しいな……」


「あっ、そ、そこは……」


「可奈子さん、開けても良い?」


「ダ、ダメ、そこは……」


「お願い、ちょっとだけ、ちょっとだけで良いから……」


 俺はもう我慢できずに、タンスを開けようとする。


「ダ、ダメ!」


 可奈子さんは俺の腕を掴んだ。


「良いじゃん、ちょっとくらい」


「ダメなものは、ダメなの。だって、ここは……」


「お願い、ちょっとだけ」


 俺は可奈子さんと押したり引いたりを繰り返していたが……


「……あッ!」


 その最中、俺の肘が可奈子さんの爆乳に減り込んだ。


「くッ、ふぁッ……!」


 勢いが付いて、少し強めの力で可奈子さんの爆乳を突いてしまったようで。


「ご、ごめん。痛かった?」


「……そんなに痛くはないけど……エロ冬馬くん」


「今のはごめん」


 俺は素直に謝った。


「やっぱり、見るのはやめておくよ。可奈子さんにだって、隠したいことの1つや2つはあるよね」


 俺は苦笑しながら言う。


 すると、可奈子さんはモジモジとした。


「確かに、恥ずかしい……けど、愛する冬馬くんには、私の全てを知ってもらいたい願望もあるの……」


「可奈子さん……嬉しいよ」


「だから……特別だよ?」


 可奈子さんは頬を赤らめながら、タンスの引き出しを開けた。


「こ、これは……」


 そこには、ブラジャーが入っていた。


 でも、その大きさはそれぞれ違う。


 ていうか、これって……


「……ま、まさか……可奈子さんのバスト遍歴?」


「は、恥ずかしい……」


「こ、この中で1番小さいこれは……おぉ、Aカップ」


 可奈子さんにも、こんな可愛らしいサイズの時代があったのか。


 まあ、当然だけど、何か感慨深く思ってしまう。


「そ、それは小学生の時……初めてのブラね」


「え、何年生の時?」


「4年生の時かな」


「じゃあ、このBカップとCカップは?」


「中1と中2ね」


「へぇ~。じゃあ、このDカップとEカップは?」


「それは、中3のほんの1時期しか着けてなかったな」


「え、何で?」


「いや、その……中3になんて、急に胸が成長して……すぐにFカップになったの」


「な、何ですと……?」


 俺は俄然、興味が湧いて来た。


「そうか、前に芽衣めいさんが言っていたもんね。可奈子さん、高校時代はFカップくらいだったって」


 芽衣さんは、可奈子さんの高校時代からの親友だ。


「う、うん」


「そこからの成長具合は?」


「え、えっと……高1Fカップ、高2がGカップ、高3がHカップで……」


「はい、これとこれね」


「い、いちいち持たなくても良いから」


「まあまあ、それで?」


「私は高校を卒業して、すぐに働き始めたんだけど」


「もう、最初から家政婦さん?」


「うん」


「じゃあ、結構長く働いて……それはもう、嫁力が高い訳だよ」


「うふふ……で、社会人になってからは、Iカップになったの」


「俺と出会った時も、そのサイズだったよね? なるほど、ずっと高止まりしていた訳だ」


「そ、そうね。けど……冬馬くんと出会って……また一段と育っちゃった……」


「じゃあ今度ここに、JとKのブラも加えないと」


「い、良いよ、そんなの。ていうか、お母さんにまたイジられるし」


「ちなみに、お母さんは何カップなのかな? 可奈子さんと同じか、下手すればそれ以上に……」


「冬馬く~ん?」


「あっ」


「エッチなのはもう許すけど……私以外の女性を見るのは……ダメ」


 少し怒った顔の可奈子さんは、両手で俺の頬を挟んだ。


「ご、ごめん……心配しなくても、俺にとって可奈子さんが1番だよ」


「冬馬くん……」


「あ、この可奈子さんのバスト遍歴ブラジャーズ、写真に撮っても良いかな?」


「こら、エロ冬馬♡」


 この後、少しだけ可奈子さんのブラの匂いを嗅がせてもらった。


 とても良い匂いだった。







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