第16話 歳の差への憧れ

 可奈子さんと素敵な初体験を終えてからと言うもの。


「あっ、おはよう。可奈子さん」


「おはよう、冬馬くん」


 俺たちはちょっとお互いに会うだけで、すぐに触りたくなって。


「んっ……」


 キスをしてしまう。


「……ごめん、まだ歯も磨いてないのに」


「ううん、良いよ。冬馬くんの良い匂いがするから」


「本当に? 可奈子さんこそ、良い匂いだよ」


「こ、こら。お姉さんをからかわないの」


 と、前以上にスキンシップが増えて激しくなっている。


 さすがに、学校やパート仕事がある日に朝からエッチはしないけど。


「あと10秒だけしても良い?」


「良いよ。おっぱいも揉む?」


「じゃ、じゃあ、遠慮なく」


「あっ……上手」




      ◇




 ダラダラと汁がこぼれる。


「マ、マジかよ……」


 親友である道三郎の口から。


「あ、ああ。やっぱり、ちょっとやり過ぎかな?」


「やり過ぎっていうか……ひたすらに羨ましい」


 俺たちは昼休みに屋上に来ていた。


 そして、何となく話の流れでつい、最近の可奈子さんとの事情を打ち明けてしまったのだ。


「この前、写真で見せてもらったけど、超可愛くておっぱいが大きいお姉さんカノジョだったよな」


「まあ、そうだな」


「お前のその幸せを半分で良いから俺にくれ」


 道三郎は言う。


「分けられるものなら、分けてあげたいけど」


「かぁ~、余裕の発言だね~」


「ごめん」


「いや、良いんだけど。あ~、俺もおっぱいデカくて美人な年上の彼女が欲しいわ~」


「出来ると良いね」


「やっぱり、余裕じゃんか」


「あっ、ごめん」




      ◇




「マジ?」


 私はパート仕事のお昼休みに、涼香さんとランチをしていた。


 ちなみにパートの内容は、パソコン入力が主な事務仕事。


「とうとう、可愛い年下彼氏くんと一線を越えたか~」


「は、はい。やっと、女になれました」


「うんうん、良いことだ。カンパイ」


 涼香さんはコーヒーカップを掲げて言う。


「けど、羨ましいな~」


「えっ?」


「私も彼氏が欲しいな~って」


「涼香さんならすぐに出来るでしょ?」


「って、言われるんだけどね~……実際、ずっと男日照りが続いているよ」


「そうですか」


「私も欲しいな~、可愛い年下の彼氏」


「出来ますよ、涼香さん。大人の色気がありますから」


「何よ、余裕じゃない」


「ご、ごめんなさい」


「別に怒ってないよ」




      ◇




 夕食時。


「でさ、道三郎に俺たちのこと話しちゃったんだよね」


「そ、そうなんだ。何か恥ずかしいね」


「ごめんね。でも、親友だから良いかなって」


「うん。私も、涼香さんに話しちゃったし」


「涼香さんって、仲の良いお姉さんだっけ?」


「そうだよ」


「へぇ~。どんな人なの?」


「ん? 美人で大人の余裕がある人だよ」


「そっか~。その人、年下が好きだったりしない?」


「え?」


「いや、実は道三郎が、俺と可奈子さんの関係を羨ましがってさ。年上の彼女が欲しいって」


「そっか……君たちは高2だから、17歳だよね?」


「まあ、その年だね」


「10個上でも平気かな?」


「えっ?」


「いや、涼香さんも年下の彼氏が欲しいって言っていたから。涼香さん、27歳なんだ」


「どうだろうな……道三郎の好み次第かも。って、何か偉そうで申し訳ないけど」


「ねえ、冬馬くん。今度さ、私たちも含めた4人でお茶しない?」


「へっ?」


「ほら、私も冬馬くんを涼香さんに紹介したかったし。それきっかけで、涼香さんと道三郎くんも良い出会いをしてもらおうかなって」


「それは……良いかもしれないね」


「まあ、いきなり付き合うじゃなくても、お友達って軽い気持ちでも良いと思うし」


「うん、そうだね。あいつ、飛んで喜ぶと思うよ。早速、連絡しておくね」


「私も、涼香さんに言っておくわ」


 こうして、楽しみな計画が出来た。







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