クラス1の美少女さんと話すようになってしまった。疎遠だった幼馴染も話しかけてくる。

とっぽき

第1話 陰キャ



今は放課後、掃除中。


「後はよろしくな!えっと・・・木村!」

僕の名前は木村じゃないんだが。

僕の名前は城島だっての。


今日も居残り確定かな。誰もいないし。


僕の名前を間違えて帰って行った奴は・・・誰だったかな。今の奴の文句言えないや。


◆◆


僕は陰キャだ。

何故なら、友達と呼べる奴は数人しかおらず・・・・・・あれ?数人おれば陽キャじゃね?


いや、違うな。それだったらもっと学校楽しいもんな。その友達もネット?だもんな。


家ではゲームとか読書しかしていない。

つまり陰キャ。QED。知らないけど。


陰キャにも陰キャなりの意志がある。

今日こそは言うんだ。もうちょっと一緒に掃除してよ、と。

僕だって早く帰りたいんだ。

帰ってゲームしたいんだ。

この前やっとあの憎き【サイダマン】のランキングを抜かせたんだ。

「絶対負けられない戦いがここにある!」

声に出てしまった。

あの、生徒の皆様方、引かないでください、お願いします。

先生も引かないでください、お願いします。


恥ずかしい思いをした。

もう一生授業中に寝ない。


◆◆


放課後、掃除ナウだ。

「後はよろしくな!木村!」

言え!言え!僕!頑張れ!

「・・・うん」

このヘタレ!おたんこなす!


しれっと名前も間違えられたし。


10分後。


「何を忘れたっけな?あースマホだスマホ」

誰か戻って来た。

この言い方からして掃除する気はないのだろう。

黒板を掃除しながら、そう考えた。


「・・・手伝おうか?城島」

木村だっての!・・・あれ?城島?僕の名前は?


そう、城島。

城島亮佑(きじまりょうすけ)。

僕の名前を覚えている人がいただと!

誰なんだ?

チラッと横顔を見た。


クラス1可愛い・・・学校1可愛いと言われていた、蓬紗奈(よもぎさな)さんだった。









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