第13話

推しという言葉では表せない。表わしてはいけない。

あの御方は、推しなどという範疇を超えている。

私は、あの御方を、愛している。

この世で一番、大好きで、心から愛している。

神だ。神の様ではなく、神そのものだ。

あの御方は、私のことなど見えていないけれど、でも目が合ったらとてもとても嬉しくなる。

狂った光を宿した瞳で、「クフフフフ…」なんて嗤って、なんて美しい。

この愛が報われるのは絶対にないと分かっているけれど、でももし叶うのならばと思ってしまう自分がいる。

現実を理解するのと認めるのは違う。

だから今日も妄想をこねくり回す。

それも、あの御方に恋した宿命だ。

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