(二)-6

 ジーノは桟橋の近くで僕たちのことをジッと見た。頭から足先までなめ回すように見た後、「いいね」と呟いた。

「コルシカ島の事務所からの紹介だろう。この後のことは何か聞いているか?」

 僕たちは首を振った。

「安心しろ。すぐに慣れる」と言って、僕たちを港町のバーへ連れて行き、端のテーブル席に座らせると、食事をおごってくれた。

 ジーノは「しばらくここにいろ。次の船は夕方に入港するからな。お前たちはそれに乗るんだ。いいな」と言って行ってしまった。


(続く)

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