最終章

前編 機密資料情報解禁

 前編 機密資料情報解禁

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 ケレス財団は、とある機密資料の機密指定を解除。

 世界中に向けて、情報の解禁が行われた。


 そして……ケレス財団は7・1財団へと名称を変更した。


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「曲者です!!」


 ……やっぱり来たのね。

 想定外、でも想像通りね。


「……通してあげなさい」


「は! あの……お通ししてよろしいので……」


 聞き返すなんて、不出来な兵士ね。

 どっちの国の子かしら?

 まぁ、どちらでも私の責任なんだけど。


「あら? 女王の命令に従えないの?」


「い、いえ……」


 ベスタの方に視線送ったし、あっちの国兵士ね。

 王国のレベルが低いとばかり思ってたけど、どこも同レベルね。


「私もかまわない。……ケレス女王? 心当たりがおありで?」


「ええ。それに楽にしていいわよ、ベスタ」


「は、イリス様。これもすべてあなたの計画のうちと?」


「さぁ、どうかしら」


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 ーー数日前ーー


「メティスさん? こんなところに何の用?」


「……本当にいた」


 予想はしていた、でもまさか本当にそうだったなんて。

 あのパーティーでのなり替わり、一時影武者と入れ替わっていただけじゃ説明のつかないそれ……


「あなたが、本物のケレス?」


「?? 本物も何も、私はケレス・アルベードよ。同じ学園に通ってたじゃない」


「王国が大変なの!!」


「ええ、知ってるわよ。だから私避難してきたんですもの、ここがどこかは知らないけど」


 もしかして、何も知らない?

 そういえば、監禁されていた様子もない。

 あれは、完全に影武者の暴走?


「王国はほぼ滅んだわ。ケレス・アルベードが新王国の建国を宣言して、国力のほとんどを吸い取られた」


「え?」


「あなたが本物なんでしょ、影武者の暴走を止めて。このままじゃ王国も新王国も隣国に完全に滅ぼされて、アルベード家もただじゃすまないわよ」


 そう、このままじゃ共倒れするだけだ。

 そもそも、王国が一枚岩だとしても、隣国に勝てるかどうか怪しいというのに。

 あれは、後先考えていない暴走だ。

 これまではまぐれでうまくいったかもしれないが、ここから先はそうはいかないだろう。

 三日天下になるのが関の山だ。


「……なるほど。ねぇ、あなた確かスラム出身だったわよね」


「それが?」


「何をもって、私を本物とするの? 世間的にも、きっと彼女が本物なのでしょう?」


 何を当たり前のことを?

 影武者に騙されていたことに、気づかなかったことを気に病んでるの?

 貴族、それは血縁。


「あなたは紛れもない、アルベード家の血を継ぐ人。それ以上の何かが必要ですか?」


「……血ね。血ってそんなに大事かしら?」


「当り前です」


「……そう、ならいいわ。行ってあげる」


 よし、これで。

 あのケレスが偽物とわかれば、新王国なんて……

 隣国も混乱気味と聞くし、王国が一つになれば、勝てる。


 戦争に、勝てる


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 イリス、本当に何をやっているのかしら?


 新王国って……


 でも、せっかく私の元に招待券が届いたんですもの。

 参加させてもらうわ。


 今回はどや顔させてくれるといいんだけど、またみんなと一緒に驚くのは少しいやね。


 それにしても、この子。

 学園の高等部からの編入なのに、ここまで染まってしまうのね。

 昔の私と同じ目をしてるわね。


 血ね。


 本当にくだらない。

 でも、そこまで進行しているならば好都合かもしれないわね。


 この子は、イリスのこと追い詰めているつもりなのかしら?

 ……あの子のこと本当に何も知らないのね。


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「この宣言は、同盟は無効!! そのケレス・アルベードは偽物です!!」


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