二話 メイド少女は影武者になる
二話 メイド少女は影武者になる
ケレスが学園に入学したわけですが、それと同時に私は無職になりました。
正確に言えば、休職状態ですが。
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さて、私にはこれ以降の進路の選択肢があります。
一つ、アルベード家でメイドとして働く。
正直私が転生者じゃなくて、未来を知らないのであればこれ一択だ。
給与も待遇もいいし、公爵からの覚えもいい。
それに公爵令嬢専属のメイドになる以上、ここで学べることはかなり多いはずだ。
二つ、士官学校に入学する。
将来貴族とかかわる仕事、現実でいうところのいい仕事に就こうという平民たちは大体ここに通う。
ただ、メイドとしてのあれこれを学ぶにしても、公爵家でメイドをする方が何倍もためになるだろう。
だけど、次の選択肢を示された時点で、これ以外の道はなくなった。
三つ、ケレスの影武者になる。
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家庭教師として働きつつ、ケレスと毎日のように一緒に遊んでいた。
そして、私のお誕生日。
その日はたまたま公爵様も予定が空いていたらしく、私のためにちょっとしたパーティーを開いてくれることになった。
メイドさん達も気合を入れて、私のことを着飾ってくれたんだが、完成した私はケレスそっくりな少女になっていた。
ちょくちょく何となく似ているといわれることはあった。
でも何となく似ているレベルで、別にそっくりなんてことはなかった。
それがここまで似るなんて……
まぁ、もともと服装にあまり頓着しない私と、毎日数人のメイドさんに手入れしてもらって着飾ってるケレスが何となく似ていたのだ。
女はメイクで化けるっていうし、普段ケレスについてるメイドさんが最善を尽くした結果そうなったのだろう。
ケレスはちょっとびっくりしたけど、それ以上に喜んでくれて、ケレスの提案でちょっとしたドッキリをかけることになったんだ。
私が公爵様にパパって言って抱き着くっていうかわいいドッキリだ。
ドッキリは大成功。
公爵様も優しいお方だから、怒るなんてことなくてパーティーは楽しく終わった。
その日の夜、公爵様が直々に私の部屋にきて……
私に、三つ目の選択肢を提示した。
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「来たか、イリス。答えを聞かせてもらえるかい?」
「はい。ご主人様」
「ほう、そう呼ぶということは、受け入れてくれるか」
「はい。私はケレス様の影武者になります」
「これは機密事項だ。イリスという名の少女は隣国の士官学校に行ったこととする。容易に人と会うこともかなわなくなるが、わかっておるな?」
「はい、すべて覚悟の上です」
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やっとタイトルの影武者回収できた。
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