七話 絶望的状況

「分かりました。飲みきれない程の

お酒を奢ると約束します。」



「アッハハ、やっぱあんちゃん

おもしれー男だな。

それじゃあ早速、まずは

この国、いやこの世界の情勢から

話していこうか……えぇと地図、地図

あったかなぁ……」



「あれじゃ駄目ですか?」



荷物の中から地図を探すのに手間取って

いたガビルさんに指差したのは、

先程から作戦会議をしている彼女ら

だった。



「ぉお、そうだな、あれがいい。」



彼女の取り巻きにいる騎士達は、

集まった者達に大きな地図を見せ、

それに彼女が棒で指しながら

指示をしていた。



「あのでっかい地図の上と下に似たよう

な大陸があるだろぅ?」


「はい。」



「その上の大陸には魔族と呼ばれる

わしらの人間の敵が住んでおる。」


「魔族ですか?」



「あぁ……彼らは頭である魔王を中心に

人間の領土を奪おうとしてくる。

逆にわしらの王が住むのは下の大陸で

魔族を殲滅し、彼らの領土を統治しよ

うとしている。

まあ……属に言う陣取り合戦だな。」



「あの小さな島々は何なんですか?

赤と青で塗られてますが。」


人間が統治する下の大陸と、

魔族が統治する上の大陸に挟まれた

海には数えて八個の色付けされた島々

があった。



「赤で塗られているのが現在、魔族

が支配する島。青で塗られているのが

人間が支配する島だよ。」



それを聞いて俺は絶望した。



「……え、それってつまり……」



さっきの陽気なガビルさんとはうって

変わって彼もまた暗い顔をしていた。



「人間が支配している島は一対七で

まぁ、簡単に言うと彼女の言葉どおり

絶望的ってこったな。」




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