第23話 ルセの表と裏

「金貨1枚だと、高い。」

 もう数件宿を回っている。ルセの町はどこも今までの宿代に比べて10倍近く高い。

 払えない事はないがこれからの日程考えると到底払えない。

「頂くお代のサービスはしておりますので」

 宿屋の定員はすました顔で話す。

 ファンリーはルセの表通りの宿屋を調べつくした。少し治安は、悪くなるが裏通りの宿を探すことにした。

 裏通りにでると少しどころではなくかなり治安が悪い。道の横で気力なく座っている人がこれでもかというぐらいにいた。


 泥棒ー!


 パンを抱えた子供がこちらにむかってかけてくる。ユナとぶつかりそうになる。ファンリーは馬の手綱を持っているため一歩遅れてしまった。

 その間にユナと子供の間に人が入り込み子供の体をねじり上げた。

 ヤカモズ人らしく褐色の肌に焦げ茶色の髪の少年から青年に成長をとげたばかりの男がたっていた。


 パン屋の店員が息を切らしてこちらによってくる。


 褐色の青年はねじりあげていた子供を地面につける。

「ありがとうございます」

 パン屋の店員は子供を棒でなぐりはじめた。


 お義父さん、やめて。


 ユナは自分の昔の姿が瞬間みえた。ユナは自然と子供をかばっていた。

 子供は小さいな声で「ゆるしてください」と何度も言う。その間も子供は胸のあたりでパンをかかえてはなさい。

 棒をふりあげる手をファンリーはつかんだ。


「ユナ、大丈夫か?」


 ユナはこくりとうなずく。そして子供をたたせ土をはらいおとす。褐色の青年は逃がすかと子供の手をつかむ。

「まだ子供じないか。許してやれよ。金は払うから」

「金を払って頂けるんなら私はいいですよ」

 パン屋の店員はしぶしぶと了解する。

 ファンリーはパン屋の店員にポケットから多めの小金をわたした。そのもらった金額を確認してにっこり笑いいそいそとその場を離れた。



「バカが。コイツは役所につれていく」

 褐色の青年は子供を掴んではなさい。

 その間も子供はパンをにぎりしめ、ゆるしてくださいと何度もいっている。

 む、バカとはなんだ、バカとは。

 いきなり知らない奴にバカ呼ばわりされてしかもファンリーは悪い事はしていないと自負があるのでその男に対して反抗的に強めにいった。


「金を払ったからいいだろ。離してやれよ」


「俺はしらないからな」

 男は地面に投げ捨てるように子供をはなし捨て台詞をはく。


 子供を離すと子供はお礼も言わずパンを持って逃げた。

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