落日/序文

あぁ、そうだね。

    ―――……


 穏やかな潮風に

 後ろ髪が緩やかになびいていた


 ヒール高いサンダルの

 紐を結んだ足首はキュッと引き締まり


 サワサワとワンピースの裾が風に踊ると

 時折ときおり 膝頭が顔をのぞかせる


 ノースリーブの肩に

 軽く羽織った若竹色のカーディガン


 そこからのびるしなやかな腕


 白く艶やかな顔肌は

 遠目からでもきらきらと輝いていた


 暫く僕は

 仕事の手を止め君を見詰めた

 …と言うよりは見惚れていた




君との出逢いがまるで、昨日のことのようだよ。


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