第5話 新たな仲間

オークナイトは大剣を抜いて俺に襲い掛かって来た。だがその大剣は俺には当たらない…速さが違い過ぎるので当たりようが無いのである。

俺はオークナイトの破壊力だけは抜群な攻撃を簡単に避けながらリザードソルジャーの刀で何度も斬り付けて行く。

正直負ける気がしない…今の俺とオークナイトはある意味かみ合わせが非常に良い相手だからだ。攻撃力お化けではあるがさほど硬くもなく、6倍のスピード差が有れば此方は避け放題で攻撃し放題でも有る。

しかしながら敵もさるものヒールをかけて回復してしまう。しかし俺の有利は微動だにしない。ひたすら首の辺りをガンガン攻撃していると急にオークナイトが硬くなった気がする。


(なるほど…コレがスキルの肉の壁ね…)


と言う事はオークナイトのHPが3割切ったと言う事になる。こりゃあ楽勝だなぁ…。


絶え間なく斬り付けて行くと何度かのヒールでの回復も追い付かず、遂にオークナイトがブッ倒れた。かみ合う相手だとこれ程楽なのか…上の階の方がキツかったぜ。

どうやら俺のレベルが3ほどアップした様だ。嬉しい事にラッキーも1つレベルが上がった。



【サルナス】

職業:魔獣使役(ビーストテイマー)

ランク:G

レベル:62→65


HP:321/300→312【+9】

MP:291/119→125【+162→166】

攻撃力:234→249(+150)【+7】《✕1.37》

防御力:217→229(+55)【+982→997】《✕1.2》

回避:82→85(+32)【+706→718】《✕1.2》

幸運:402→417【158→161】

スキル:魔獣武装(ビーストアームス)Lv1→2、鑑定Lv2、《鱗強化》、《剣術》、《金剛》、《疾風》、ヒールウォーターLv8、【ファイヤーボールLv1】、【物攻耐性Lv7】、【魔攻耐性Lv6】

装備:剛腕の腕輪、鱗の兜、鱗の具足、鱗の篭手、鱗の鎧、ハイオークのブーツ、リザードソルジャーの刀、金剛の腕輪、疾風の首輪


そして遂に魔獣武装(ビーストアームス)のレベルが2に上がった!早速鑑定で確認する。


魔獣武装(ビーストアームス)Lv2:二体の魔獣武装(ビーストアームス)が可能となる。ただし、二体の魔獣武装(ビーストアームス)時にはHPが半分となるマイナス補正が掛かる。


(ほう…二体の魔獣武装(ビーストアームス)が可能だがHPが半分になるのか。二体目の魔獣はHPが高くないとマズいな…。)


次に俺は魔石を拾い上げ、オークナイトのドロップアイテムであるデカい剣を鑑定する。


ナイトブレイド:オークナイト討伐のドロップアイテム。騎士道の付与、鈍重の付与、攻撃力(+370)《✕1.25》、回避(-50)


コレは本来であれば悩む装備だな…大きく攻撃力は有るが重くて回避が鈍ると…だが今の俺なら回避が50落ちても問題は無さそうだ。むしろ370の攻撃力と補正1.25倍は魅力的な数値である。249+400+7✕1.45で950を超える攻撃力が手に入るのは悪く無い。俺はナイトブレイドを装備した。


【サルナス】

職業:魔獣使役(ビーストテイマー)

ランク:G

レベル:65


HP:321/312【+9】

MP:291/125【+166】

攻撃力:249(+150→400)【+7】《✕1.37→1.45》

防御力:229(+55)【+997】《✕1.2》

回避:85(+32)【+718】《✕1.2》(-50)

幸運:417【161】

スキル:魔獣武装(ビーストアームス)Lv1→2、鑑定Lv2、《鱗強化》、《騎士道》、《金剛》、《疾風》、《鈍重》、ヒールウォーターLv8、【ファイヤーボールLv1】、【物攻耐性Lv7】、【魔攻耐性Lv6】

装備:剛腕の腕輪、鱗の兜、鱗の具足、鱗の篭手、鱗の鎧、ハイオークのブーツ、金剛の腕輪、疾風の首輪、ナイトブレイド


そして俺は更に下層への降りて行った。

降りた直ぐ側に結界が張ってある。ここで少し休むとしよう。


「リムーブ!」


俺は元に戻ったラッキーを撫でて労った後、ラッキーに拾い集めていた魔光石を与える。するとラッキーは嬉しそうに魔光石を吸収して行った。

ラッキーか食事を終えてから俺の食事の準備に入る。火を起こしてからリザードマンの肉をサッと焼いていく。調味料は塩だけだが何も無いよりはマシである。マジックポシェットに感謝しなきゃな。

食事を終えた後、俺は少し仮眠を取る事にした。


仮眠を終えてから俺はこの先の事を少し考える。まだ潜っていようとは思うが、流石に地上に戻らない訳にも行かない。取り敢えずレベルが100を超えるまでは此処でのレベリングを続けようと思う。

それにトカゲの尻尾切りをしてくれたあの連中にも一泡吹かせてやらないとな。


「さて、そろそろ行くか。ラッキー、メタモルフォーゼ!!」


魔獣武装(ビーストアームス)した俺は結界から出て先へと進んで行った。

先へと進むと…とてつもなく大きな空間に出た。何故ダンジョンにこんな空間があるのかは未だ不明なのだが、必ずと言って良い程巨大空間があると言う。

そして決まってその奥にはとてつもなく強いエリアボスが待ち構えていると聞いている。此処にもそんな魔獣が居るのだろうか…。


ゆっくりと歩を進めると早速魔獣の群れが出現する。リザードソルジャー、リザードアーチャーの群れだ。リザードソルジャーはボス部屋のよりもレベルが低い。此処から俺はレベリングという名の殺戮を開始してゆく。

攻撃力の上がった俺はリザードソルジャーの首をいとも簡単に跳ねて行った。リザードアーチャーの矢ですらゆっくりに見える為に矢を避けながらリザードアーチャーを真っ二つに斬って捨てる。

次から次へと湧いて出るソルジャーとアーチャーをどんどん倒しながら前に進むとリザードメイジが湧いて出て来た!コレも一気に叩き斬る。シャドーミストを使わせない為である。俺はまだ奥の方には向わずにリザードメイジが湧いた辺りまでで腰を据えてレベリングをする。レベルが20上がった所で先へと進む事にする。ラッキーは8ほどレベルが上がった。


【サルナス】

職業:魔獣使役(ビーストテイマー)

ランク:G

レベル:65→85


HP:402/312→392【+9→10】

MP:363/125→165【+166→198】

攻撃力:249→349(+400)【+7→8】《✕1.45》

防御力:229→309(+55)【+997→1117】《✕1.2》

回避:85→105(+32)【+718→814】《✕1.2》(-50)

幸運:417→517【161→185】

スキル:魔獣武装(ビーストアームス)Lv2、鑑定Lv2、《鱗強化》、《騎士道》、《金剛》、《疾風》、《鈍重》、ウォーターボールLv3、ヒールウォーターLv8、シャドーミストLv2【ファイヤーボールLv1】、【物攻耐性Lv7】、【魔攻耐性Lv6】

装備:剛腕の腕輪、鱗の兜、鱗の具足、鱗の篭手、鱗の鎧、ハイオークのブーツ、金剛の腕輪、疾風の首輪、ナイトブレイド


俺はリザードメイジからウォーターボールとシャドーミストの魔法を得ていた。ウォーターボールを得た事でダンジョンでの水補給が出来る様になった。またシャドーミストを使える様になってからはリザードメイジからのシャドーミストによる盲ませが効かなくなった。

レベルアップによって攻撃力と回避は1000を超えたし、防御力は1700超えとなった。

これならば奥のフロアボスに挑んでも良いのでは無いか…そう思い始めた時に奥の方から物凄い叫び声が聞こえて来た!!


「な、何だ今のは…」


俺は魔獣達を振り切って全力で声の方に向かっていった。すると大きく開けた場所で忘れもしないあのオーガが何者かと闘っていたのである。俺は咄嗟に隠れた!震えが止まらない…。俺は草むらの陰から鑑定をかける。


種族:オーガ(フロアボス)


レベル:52

HP:2605/3240

MP:28/28

攻撃力:1272

防御力:976

回避:362

幸運:56

スキル:怒りの角、強靭、抗魔法


凄いステータスだ…そしてオーガより少し背の低いコイツは何者なんだ??


種族:ハイトロルメイジ(唯一種)


レベル:32

HP:948/2590

MP:1455/2975

攻撃力:947

防御力:1027

回避:259

幸運:49

スキル:超再生、状態異常耐性Lv5、筋強化Lv6、ファイヤーフィストLv5、サンダーフィストLv4、アイスブロッカーLv8


何なんだ…コイツ…しかも唯一種って50年に1体出るか出ないかと言われる幻の魔獣だ…しかも魔獣がフロアボスに挑む状況なんて…聞いた事がない。トロルの上位種はハイトロルだがハイトロルメイジなんて図鑑でも見た事がない。幻とか言われてるが唯一種ってホントに存在するんだな…。


速度に差があるので中々ハイトロルメイジの攻撃が当たらない。オーガは攻撃を当てているが、ハイトロルメイジの両腕の氷の篭手でブロックされている。しかしオーガの有利は否めない。そのうちにオーガの攻撃で腕を引きちぎられたハイトロルメイジが超再生で腕を直ぐに生やしたがHPが減ってヤバくなっている。

俺は自然とハイトロルメイジにウォーターヒールを掛けながらハイトロルメイジの前に割って入る。そしてオーガの攻撃をブロックして行く。


「オーガに攻撃しろ!!俺がブロックする!!」


最初、ハイトロルメイジは訳が分からずに動けなかったが、俺がブロックをしていると理解したのか俺の頭の上から攻撃を仕掛ける!

炎の拳を飛ばして殴りつけたり雷の拳を飛ばしたりと派手な攻撃だ。俺もブロックしながらナイトブレイドでオーガの足を斬り付けて行く。足をやられたオーガの速度が遅くなり、ハイトロルメイジの攻撃がどんどん当たる様になって来た。

そしてオーガがハイトロルメイジの雷の拳で吹き飛ばされてブッ倒れた!俺はチャンスとオーガの首を狙ってナイトブレイドを振り下ろした!!オーガの首から血が吹き出してそのまま絶命したのである。


「ヨッシャアアア!!!!」


俺は吠えた!やっとあの恐怖から開放されたのだ。俺のレベルが8つも上がった。ラッキーも1つレベルが上がったようだ。

俺はオーガのドロップアイテムを確認した。


角の首飾り:オーガ討伐のドロップアイテム。攻撃力(+300)、オーガの怒り付与✕1.35


俺は角の首飾りをハイトロルメイジに投げて渡す。


「倒せたのはお前のお陰だ。それはお前の物だよ」


『…イイノカ?オレ、モラウ。ダイジニスル…』


ハイトロルメイジは角の首飾りをじっくり見たあと嬉しそうに首に掛けた。


「お前…喋れるんだな…マジかよ…流石唯一種だなぁ〜」


『オレ、ツヨクナリニキタ。デモ、オーガツヨカッタ…』


「お前、かなり強いぞ。今のでレベルも上がったろ?」


『オレ、レベルアガッタ。オマエノオカゲ…。オマエ、チイサイ…デモ、ホントニツヨイ。オレ、オマエニツイテイク』


そう言うとハイトロルメイジは俺の前でひざまずく。


『オマエトナラ、イッショニタタカウノタノシイ』


《テイムしますか?》


俺は「はい」と答えるとハイトロルメイジが光り出して刻印が額に刻まれる。俺は”唯一種”ハイトロルメイジをテイムした。


《特殊条件のクリアにより、魔獣武装(ビーストアームス)のサブスキルが解放され、〔ステータス統合〕を獲得しました。》

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る