色々な真実

第23話 雪を幸せにしたい

俺は色々な人達と一緒になってきた。

それは.....本当に色々な人達だ。

どの様な人達かというと.....俺を大切にしてくれる人達。

俺は.....幸せだと思う。


「.....」


夜中の事だ。

2人は寝たが俺は起きていた。

俺は月明かりを見ながら.....外の景色を嗜んでいる。


もう直ぐ.....イベントが来る。

そのイベントは.....夜空の誕生日、そして初めて出会った頃の日だ。

夜空は決して口にはしなかったが誕生日だ。


その事を忘れない様にしなくてはならない。

思いつつ.....俺は.....ネット上で買えそうなもの。

または良さげなものを探していた。

この前は言わなかったが.....誕生日プレゼントは欲しいだろうしな。


「.....よし。.....服でも贈るか」


俺は思いつつ.....服を見る。

それから.....顎に手を添える。

どの様なものが欲しいのだろう、と思いながら、だ。

そうしていると.....バイブレーションが作動した。

俺は首を傾げてスマホを見る。


「.....非通知電話?誰だ23時なのに」


慌てて俺は外に出る。

それから休憩所に向かってから電話に出る。

すると.....この様な声がした。

小学生ぐらいの少女の声で、だ。


『もしもし。この電話は雪お姉ちゃんの先生のお電話ですか』


「.....まあそうだが.....夜中に電話するお前は誰だ」


ん?ちょっと待て。

雪お姉ちゃん.....ってどういう事だ。

思いつつ俺は電話の主に尋ねる。

お前誰だ、と、だ。

するとこの様な言葉が出た。


『私、雪お姉ちゃんの親戚の春香って言います。雪お姉ちゃんの先生の携帯に電話したのは.....雪お姉ちゃんを好きになって欲しくて電話しました』


何を言っているのだこの子は。

でもそのそれは良いんだが。

この夜中に電話ってのは流石に如何なものかな。

思いつつ俺は、春香ちゃん、と声を掛ける。

すると春香ちゃんから、はい?、と言葉が出てきた。


「夜中に電話するのは礼儀が無いな。.....流石にマズイと思う」


『で、ですかね。やっぱり.....すいません。この時間帯はマズイかなって思いましたが.....』


「.....たまたま起きていたから良いけど.....で。好きになってほしいってのは?」


『すいません.....あ。えっとですね。それは.....そのままの言葉です。応援したいんです。雪お姉ちゃんを。お世話になっているんです』


「.....」


成程。

しかし何でこの時間なのだ?

思いつつ俺は春香ちゃんに尋ねる。

何でこの時刻に電話してんだ?、と。

するとこの様な回答があった。


『わ、私.....ドジですから』


「.....」


『.....悩んでいたらこの時間になっちゃいました。慌てて電話したんです』


「明日でもよくないか.....?それ」


『そ、そうです。確かに.....』


ドジ以上だぞそれ。

思いつつ俺は額に手を添えながら真夜中の外を見る。

そして、まあ良いけどでもその応援したいのか?、と回答する。

はい、と言葉が聞こえた。


『私好きなんです。雪お姉ちゃんが。だから幸せになって欲しくて』


「それだけでこの時間に電話ってのもな.....」


『すいません!すいません!本当に!」


「.....いや、良いけど.....」


御免なさい。やっぱり明日かけ直します、と言葉が出た。

俺は、良いよ暇だったし、と答える。

すると、そうですか?、と期待する様な声がした。

俺は、ああ、と返事する。


「.....俺は雪さんを好きにはならないよ。あくまで彼女は生徒だから。俺の」


『.....え.....』


「.....だから御免な」


『でも。雪お姉ちゃんは本気で好いているんです。山寺さんを。.....それにしても家庭教師だというのは本当なんですね』


「ああ。家庭教師だ。だから好きになれないんだ」


雪お姉ちゃんがいくら愛してもですか?、と涙声がする。

俺は、そうだな.....、と回答した。

ちょっと.....詰まってしまう。

いきなり涙声って.....お前。


『好きになって下さい』


「無理だ。御免な。気持ちは理解出来るけど.....」


『じゃ、じゃあ.....先生と生徒の関係じゃ無かったら良いんですね?』


「.....どういう事だ?」


『オフの時に付き合えますよね。これだったら家庭教師も関係無いですから』


いや、確かにそうだけど。

思いながら困惑する。

すると春香ちゃんは、私は雪お姉ちゃんに山寺さんと付き合ってほしいです。だから.....この連休でデートプランを作ります!、と言葉を発した。

俺は、は?、と目を丸くする。


『だってオフですよね。休みだから。だから.....雪お姉ちゃんと付き合ってもらいます!』


「いや.....そうは言っても.....君、小学生だよね?」


『そうです。でも6年生です。男の子と付き合った事あります!』


「マジで?」


『マジです』


今時の小学生ってもんは.....。

ふん、と鼻息を荒くする春香ちゃん。

でもちょっと待てよ。


幾らそうでも小学生にデートプランって。

色々駄目だろう。

俺は首を振ってから、駄目だ、と言う。


『何でですか!?』


「君はまだ子供だろう!分かるだろ!」


『じゃあ雪お姉ちゃんと付き合って下さい』


「隙あらばそうなるな!?」


『当たり前です。私は付き合ってほしいですから。でどうします。それに私は12歳ですから子供じゃ無いです』


参ったなコイツ。

まさかこんな事になるとは。

思いつつ.....電話に声を吹き込む様にする。

溜息混じりに、だ。


「分かった。こっちがデートプランを考える。君じゃ危ない。.....そして雪さんとデートするから」


『そ、そうですか?嬉しいです』


「.....だから寝なさい。君は」


『はい!お休みなさい!!!!!』


そう聞こえ。

ガチャンと電話が切れた。

勢い良く、だ。


安心した証拠だろうけど.....いきなり切るとは。

思いつつ俺は苦笑いを浮かべながら.....スマホを仕舞う。

さて困った事になってきた。


「雪さんと付き合う.....か。でも相手は高校生だしな。駄目だな」


春香の願いは叶いそうにない。

思いつつ俺は部屋に戻るか、と思いながら。

部屋に戻ってから布団に潜り込んでから寝た。


そして翌日、電車に乗って帰って来る。

すると玄関先に.....春香らしき小学生が立っていた。

かなりの美少女の、だ。



「という事で来ました」


「.....あのな.....」


「雪お姉ちゃんと付き合って下さい」


「.....いやだから。今は無理だって.....」


今日は母さんは仕事。

真優さんも仕事だ。

だからそれが良かったのかもしれないが。

夜空は呆れて見ていた。

困ったな.....だから子供は苦手なんだよな。


「帰って来た早々に何これお兄ちゃん。何で春香ちゃんが居るの」


「.....俺に聞くな.....」


「昨日の夜中に電話しました!」


「話すな!」


改めて菜々色春香(なないろはるか)ちゃんを見る。

ランドセルを置きながらの、だ。

顔立ちはかなりの美少女。

白色の肌をしていてそれから青い瞳をしている。


何処かのハーフだろうか、と思う。

それから.....ブロンドの髪をしており長髪。

つまり.....色々と完璧だ。

美少女ばかりだな.....雪の知り合いって。


「.....私は雪お姉ちゃんが好きですから」


「分かるけどな.....幼女一人はマズイって。男の家に来るの」


「大丈夫です。だって夜空お姉ちゃんがいます」


「.....」


え!?もしかして襲うつもりだったんですか!?私を!、と胸を隠す仕草をする春香ちゃん.....いや!!!!!

絶対にそんな事はしないからな!!!!?

俺はロリコンじゃ無いから!

夜空はドン引きした。


「お兄ちゃん.....そんな性癖あったんだ.....」


「あのな.....」


「えへへー」


「お前な!!!!!」


ああもう!話がややこしくなる!

思いつつ俺は額に手を添える。

そして春香ちゃんを見る。

春香ちゃんはニコニコしながら俺を見ていた。


「デートはキチンとするんですよね?山寺さんは」


「.....ああ.....うん」


「曖昧ですね。.....絶対にして下さいね」


「.....あ、ああ。うん」


お兄ちゃん.....?、とジト目で声がした。

もうどうしろってんだよ。

俺は頭をガリガリ掻く。

それから.....また盛大に溜息を吐いた。

そして.....春香ちゃんを見る。


「何でそんなに雪さんが好きなんだ」


「雪お姉ちゃんは.....私を外国人のハーフとして軽蔑しませんでしたから。そして妹として見てくれました。だから大好きです」


「.....成程な」


「だから今でも幸せになってほしいって思います。だから私は.....願っているのです」


「.....」


俺は顎に手を添える。

それから.....春香ちゃんを見る。

春香ちゃんは真剣な顔で俺を見ていた。

そして、お願いです、と言葉を発してくる。


「.....一生のお願いです。.....雪お姉ちゃんを幸せにしてあげて下さい」


「.....」


「.....お兄ちゃん.....」


本当にどいつもこいつも.....と思う。

こんなに好かれて幸せ者だなって思う。

俺は考えながら.....春香ちゃんを見る。

頭を下げている。


「.....取り敢えずやれる事だけはやる。.....分かった」


「本当ですか!?」


「.....ああ。そこまでお願いされて引く奴も最低だろ」


「有難う御座います!!!!!」


雪さんを好きになるかどうかは別だ。

だけど.....やれるだけやってみよう。

その様に思いながら夜空を見る。

夜空も、仕方が無いかな、的な感じをしていた。


「.....取り敢えずはデートだ。それから話を進めてみよう」


「そうですね」


雪お姉ちゃんはこういうのが好きです、と次々に言ってくれた。

俺は聞きながら計画を立てていく。

取り敢えずやってみて。

駄目ならもう駄目と潔く諦められるしな。

頑張ろう。

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