第17話 迫り来る明日香

俺、山寺イスカと義妹の山寺夜空が一緒に帰宅した時。

何故か.....俺達の家の前に明日香さんが立っていた。

俺に向かって手を振る。


そして.....夜空には少しだけ警戒心を持ちながら対応する。

もう18時を過ぎているにも関わらずニコニコしてその場に居る。

何をしているのだ?


「こんにちは!イスカ先生!」


「.....?.....え?明日香さん?住所教えてましたか?ってか時間.....」


「時間はまあおいて。住所は追跡です!」


「追跡!?.....俺のセキュリティどうなっているのですか!?」


「まあ良いじゃ無いですか。.....それはそうと.....師匠」


言われてから、何?、と夜空も少しだけ警戒心を持ちながら対応する。

するとそんな夜空に明日香さんは、今日は泊まり込みでイスカ先生の事を教えてもらいに来ました、とニコッとする.....え?今何つった?

泊まり込み.....って聞こえた気がするんだが。

俺は青ざめる。


「丁度、明日は私の通っている学校が休みです!だから泊まり込みでビシバシ教えてもらおうかと思いました!」


「幾ら何でもそんな馬鹿な事が許される訳が無いでしょ!」


夜空がツッコミを入れる。

でもでも。

イスカ先生とお近づきになりたいですから!

とニコニコしながら八重歯を見せる明日香さん。

とんでもない事になってきたんだが。


「.....本気?」


「本気ですよ!だからその為にパジャマとかイスカ先生を誘惑する物品とか持って来ました!」


「ちょっと待って。聞き捨てならない事を聞いたんだけど.....」


「アハハ。気のせいです」


気のせいでは無い気がする。

ど、どうすれば良いのだ。

俺は青ざめながら.....明日香さんを見る。

夜空は.....ジト目で俺を見ていた。

でももう暗いしなぁ.....このまま帰らせるのも.....。


「一晩だけですよ.....明日香さん。.....ちゃんと親の許可も貰っているんですよね?」


「貰っています!.....師匠の事を話したら大丈夫だって!一晩だけと思っています。大丈夫です!」


「え!?.....お、お兄ちゃん!?」


「だって暗いじゃないか周りが。だったら危ないから.....。それに帰りそうにないし.....」


「い、いやそうだけど.....」


そのまま俺達は。

とんでもない行動に出てきた少女を泊める事になった。

しかしそれは良いんだが良く認めたな母親が。


良いのかこれは!?

あくまで俺は男なんだが.....これで良いのか本気で。

そのまま.....俺は顔を引き攣らせた。



「師匠とイスカ先生の家、良い家ですね!」


「.....」


一応未成年の俺。

なので.....母さんに電話したら.....、親の許可を貰っているなら貴方の事もそうだけど大丈夫では?、と回答がきた。

いや、良いのか母さん。


そんな事を考えていると、ハァ、と溜息を吐いて夜空が俺を見てきた。

いやいや、何だよ。

俺のせいか?


何も教えてないし.....しかも何もしてない。

簡単に言えば俺は関係無い感じだが。

と思いながら目の前の明日香さんを見る。


「イスカ先生」


「.....何かな?明日香さん」


「一緒にお風呂入りましょう」


「「ハァ!!!!?」」


夜空が真っ赤になって、駄目に決まっているでしょ!!!!!、と絶叫した。

明日香さんは、でもでも~。私はこの日の為に可愛い水着も持って来たんですよ?、とモジモジする。

俺は唖然としながら.....赤面する。

そして、い。いや。明日香さん。流石にそれは、と汗をかく。


「一緒に入りましょうよ」


「許さないからね。そんな事をしたら。お兄ちゃん.....」


「え!?俺!?」


すると明日香さんは、でもでも師匠。貴方も一緒に入ったんですよね?幼い頃、と.....言い出した。

そんな昔でも一緒に入って無いから!!!!!、と夜空は赤面で激高する。

明日香さんは、えー。そうなんですか?、と俺に向いてくる。

俺は、ウンウン、と強く頷く。


「じゃあお風呂はまた今度にして。一緒に寝ましょう」


「明日香!アンタもう黙りなさい!アンタの部屋を案内するから!」


夜空は明日香を引き連れて去って行く。

そして後に俺だけ取り残された。

因みに真優さんも母さんも今、仕事で居ない。

俺は顔を引き攣らせてから.....光景を眺めていた。



何処までが本気で、何処までが冗談なのか。

明日香さんのそれが分からないまま夜を迎える。

そして真優さんと母さんが帰って来てから。


一緒にご飯を食べてから俺は自室でレポートと何時もの事をやっていた。

因みに今、明日香さんはお風呂だ。

流石に風呂上りにいきなり来るとは思えないが.....。

と思ったのが運の尽きだった。


「イスカ先生♪」


「うわぁ!?あ、明日香さん!?」


「どうです?このパジャマ。今日の為に用意しました」


胸元がいやに強調されたパジャマ。

敢えて小さいのを選択している様だ。

へそとかが見えて仕方が無い。

俺は真っ赤になりながら前を見る。

パジャマのズボンから、パンツまで見えた.....。


「えへへー。師匠は風呂です。.....イチャイチャ出来ますね」


「お、俺は惑わされんぞ。.....義妹が居るぐらいなんだから」


「女性に耐性があるって言いたいのですか?.....甘いですね。おっぱいとか見た事有ります.....か?」


赤面で俺を興奮気味で見てくる明日香さん。

胸元を見せてくる.....。

何というか風呂上がりで湯気が立っている為に俺は.....赤くならざるを得なかった。

下着が見える.....。

いかん!これは絶対にいかん!!!!!


「あ、明日香さん。流石にマズイよ.....!?」


「何がマズいんでしょうか.....私はもう生徒じゃ無いんですよ?アハハ.....」


「女子高生でしょうが!?.....か、勘弁してくだ....いや、勘弁してくれ!」


そして壁際まで追いつめられる。

それから明日香さんは俺の頬に手を添える。

そうしてから.....そのままキスを.....ま、マジかよ.....。

と思ったのだが。

寸前の所で明日香さんは引っ張られた。


「何をしているの!!!!!やはりと思ったけど!!!!!」


「もー。良い所だったのに」


「あ、アンタねぇ.....」


「えへへ。まだまだいっぱい隙がありますね。.....いっすー先生」


「いっすー先生!?」


だって先生ってイスカ先生じゃ無いですか。

でもイスカ先生と呼ぶよりかはこっちの方が良いかと思いました。

とニコニコしながら明日香さんは俺を見てくる。

すると背後から黒い炎が見えた。


「お兄ちゃん.....?一体.....何をしていたのかな?」


「あだ名で呼ばれたからってそんなに密着な事はして無いぞ!」


「ヘえ.....密着な事.....ねぇ.....」


ジト目が相当にキツイ。

誰か助けて下さい。

サバイバルですねこれ。

思いつつ俺は額に手を添えて立ち上がる。


それから、お前ら。それは良いけど俺は勉強しているんだ。取り敢えず今は出て行ってくれ、と言葉を発した。

その言葉に夜空が明日香を見る。


「だってよ明日香」


「じゃあまた後でですね。イチャイチャしましょう」


「明日香、話聞いてた!!!!?」


だって師匠とかに取られちゃいます。

と明日香は頬を膨らませてから文句を言う。

だがそんな明日香さんを夜空はズリズリと引っ張って行った。

それからドアを閉める。


ああん、と抵抗も空しく、だ。

俺はその姿に苦笑しながら.....学習椅子に腰掛けた。

それからレポートを作成する。


「全くな。明日香さんめ.....。信じられない事をしてくるもんだ」


思いつつ.....俺はレポートを作成していく。

そうしていると.....千佳からメッセージが入ってきた。

俺は?を浮かべて開いてみる。

そこには.....。


(おうちデートって言ったけど今度私の家でしよう。デート)


(.....いやいや。本気でするのか?)


(当たり前だよね。君の事、好きなんだから)


(そ、そうですか)


それから住所を記載してくる千佳。

俺は住所を確認してから、アパートか、と思った。

実家暮らしじゃ無いんだな、と思う。

するとその理由を千佳が書く。


(私、家から追い出された身だから一人暮らしなの。アハハ)


(え?家から追い出されたのか?)


(より正確に言うなら私の親って博打ばかりしていて.....借金塗れだったから逃げたの。.....あの親の元にはもう帰らないつもり)


(.....そうだったのか)


そうそう。

だから独り身だから.....エッチな事をしても大丈夫だよ?

と千佳は、ニヒヒ、と笑う感じでメッセージを寄こす。

俺は赤面しながら.....、勘弁してくれ、と返した。


(まあ冗談は置いて。.....レポート出来た?)


(ああ。まあな。お前は?)


(私も出来始めたよ。でも本当に山下教授のレポートって難しいよね)


(だな)


そんな会話を苦笑気味でしながら。

分からない部分を教え合いながら夜遅くまでレポートを作った。

そのまま夜中になる。


結局、明日香さんはそのまま束縛でも食らっていたのか来なかったが夜中に.....いきなり進撃して来る。

俺は抵抗するが.....空しいものだった。

何だって夜中に!?

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