東乃K5:なぜ粗悪になるようにしてくれなかったのか、その解(最終章)

「大いなる力には大いなる責任が伴う」

マーベル・シネマティック・ユニバースにも出演しているスパイダーマンシリーズからの引用である。

「フィクションゆえに手ぬるいな。

俺の見解としては『大いなる力はいずれ大きな犠牲を要求する』、だ。

力とは人類、人類とは集団で生きる者。経済や科学、民族を用いて押し進み、争い合い慰め合いながら生きる考える者たちの総称だ。」

ここで一息つく。

彼も彼女らも彼もみな所長を見ている。

先達のように、神のように、全く異質な存在のように。


「まったくもって不愉快だ」


もう一度息をつく。ため息。


「集団で生きる以上軋轢は避けられん。



中略

「戦争だと?あんなもの古くさい軍人共の流儀と一緒に鼻をかんで捨ててしまえ。これからは情報だ、エネルギーだ。収奪ではなく生産と取引で倍々に増やしていくのだ。であれば当代の王、いや神は天上ではなくこの街にこそ居る」


「イカレてますね…ウチら」


「さよう


 人類の発展を支えるのは、いつだって人間の狂気なのだ」

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