第39話さよならのメリークリスマス1

酔いが冷める気配は無かった


渡したミネをチェイサーに残ったお酒飲んでるから


「せーんぱいいきまっせー」


たなりゅーが助け舟を出してくれてようやく動き始めたハルさん



それでもしっかりゼロ距離で腕を組まれてて、気が気じゃない


いや、酔ってるんだ


転んでも危ないし、変な意識すると余計に恥ずかしい


隣のたなりゅーとマネージャーもそうなんだし、2人ともどシラフで



大丈夫


と何が大丈夫かも分かってないけど繰り返した



「雪、俺はこのまま朝か昼までコースで起きて帰ったら明日の夜だからよろしくー、ハルとりあえず家に連れてけよ」


兄貴に声をかけられる


もちろん、このまま送るかうちで酔いを冷ましてから送ってくか、、


違和感に気づいた


こんなに酔ってるハルさんを


兄貴もたなりゅーも何も気にしてる様子がない


予め知ってたかのような


なんだろ



僕としては、プレゼントを渡すのに記憶が曖昧だったらって不安があるくらい、、、いや、なんでこんなに飲んだのか


もちろんクリスマスパーティーだし、いつもよりってのは真っ先に浮かぶけど

ハルさんはそういうタイプじゃないと思う


だから何か余計に、少し引っかかる


でも、結局、


ゆーきちゃんってご機嫌な真横のハル先輩(いつもと違いすぎる)に意識を持ってかれすぎて思考がマトモに働かない


とりあえず、ケーキをまた少し食べれるよう箱に入れて、4人でようやく外に出た


冷たい空気に中から一変静けさ


吐息が消えていく夜空


「寒いーっ」と、更にくっつくハルさん


とりあえず、ここからはハルさんの家よりもうちの方が断然近いのでケーキをつつきがてら、酔いを冷まして


プレゼントを渡すか


送って別れ際に渡すか


考えよう


「さて、行きまっか」


寒さに負けない元気なたなりゅーが歩き出した




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