第31話 (幕間)棚岡隆也と十条冬馬

「冬馬くん、あの二人イルミネーションなうですよ」



「おお、ぶらぷらドライブから完全にデートじゃねえか」



雪君不在の十条宅で冬馬くんとコタツと一体化してビールを空ける



「1つ、聞きたかったんですけど 」


「どした」



「なんで雪君に地元から離れたとこの学校を候補に入れさせはったんですか?」



「ハルのこの先だよ」



「あー」


合点がいった



薄々というか、ハルさんは空手にバンドにしても手広い


このふたつを卒業後選択するならきっとここを離れる



その時、、



「俺も深く聞いてないから分からんけど、地元起点ならそれでいいし、違うならきっとすれ違ってくよ。中学生、高校生と、高校生と社会人じゃ、今と離れてる歳は同じだけど、違うだろ」



「雪君は、、」



「さあ?」



遮る冬馬くん



「あいつらが決めることだ。っても今時点付き合ってもなんでもないけどな。傍から見たら完璧カップルだけど。流石に俺がしゃしゃりでるとこでもないし、強いて言うならたなりゅー、お前が雪に意識させてやってくれ。時間はもうない」



「いや、せやかてそない言われても。」



だよなぁ、、と苦笑いする冬馬くん



でも、もうお互い心の中で気持ちは分かってるはず


後はどうするか


そのどうするか、が、大問題なんでっしゃろけど



「ほいやお前マネージャーはどなん、お前は」



「健全なお付き合いをしてry」



ハリセンのツッコミが来た



「お前は世渡り上手くなるよ」


「褒めてるはるんです?」


「もちろんだ」




「そいや、最近やたらライブの時のバイトに入れてくれって雪が言うんだ」


「ハル先輩でしょーね」



「どゆ気持ちかは分からんが、クリスマスを意識してんのか、日頃の礼をしたいのか 」



「どっちにしても、そこが決定打ですねー」



「まさかこうなるとはなハルが。」



「まあ雪君、その辺の男とちゃいますからね、ハル先輩もそりゃ心動きますよ流石に」



「なんかなー、これで2人が傷ついたら俺気まずいよ」



「でも、そゆつもりやなくて良かれと思ってしはったんですよね?冬馬くんのせいやあらへんすよ」



「可愛い弟と後輩を持てて幸せだ」



冬馬くんはぽつりと呟いた






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る