第5話 変なアホ貴族

 ◆異世界生活二日目◆


 昨日は早目に寝たのに

起きたのは9時過ぎだった

相当俺自身疲労していた様だ


昨日の事は流石に夢だろと思っていたが

夢では無い現実の朝を迎えてしまっていた


礼司)「本当に

異世界に転移してしまったんだな

朝起きてみたら夢かも知れないとっ思っていたんだがな

しかし何だな

此方でもやはり俺はボッチ人生の様だ……」


神眼)『レイジ様おはようございます

どうか為されましたか?』


礼司)『イヤ、ごめん御免

単なる独り語りだから忘れて

それよりも明日は魔物討伐だな

準備する物なんて有る?』


神眼)『一応は

収納に日本刀が入っております

名を魔剣八俣と申し霊的な者も斬れます

今は行方不明ですが兄弟剣として聖剣誉が有ります』


礼司)『じゃっ刀が一本だけ?』


神眼)『他に聖躬も有りますが

先ずは八俣で戦い馴れて下さい』


朝食は

パンケーキにハムエッグとサラダだった

そしてカエデが淹れくれたカフェオレ


礼司)『カエデが淹れたカフェオレは

なかなか旨いな』


カエデ)『レイジ様の深層心理から

好きな味を引き出しております

他にも色々な料理の記憶を引き出しておりますので食に関してはお任せ下さい』


なる程!

だから俺の好きな味なのか

モミジも俺の記憶から学習してるので

同じ様に日本で馴染んだ味を

提供してくれる様だ


俺が朝からウッドデッキに出て

爽やかな朝の空気と食事を楽しんでいると

何やら街道沿いの結界の外で

騒いでる甲冑姿の兵士の様な連中が

20人程いる


礼司)『エッ!なに!?

そしてまたも甲冑!?

此の異世界では流行りなのっ?』


神眼)『流石に其れは無いです

この結界は敵意有る者達の侵入は出来ません、なので外の連中は盗賊か何処ぞの馬鹿貴族だと思われます』


礼司)『また何処かに飛ばされるのかな?

だったらもう嫌だな

折角の飯が不味くなったよ』


どうやら俺の中で

大勢の甲冑に襲われるのが

トラウマになってしまった様だ

そりゃ〜大勢の甲冑連中に

知らない所に飛ばされたら

誰でもトラウマにもなるって


まっ一応はカエデが対応している様だ

まあカエデに任しておこう


俺のプレハブの結界内温度は

外気温よりも10度は高い

そして更にウッドデッキの上は10度高いのだ


礼司)『若しかして

寒くて中に入りたいとか?』


神眼)『それも無いです』


礼司)『だったら外から見え無い様に

デッキの上に植木鉢でも並べるか?』


神眼)『それでは

ベリー系でも並べますか

丁度目隠しにも成る様に剪定も出来ますし

果実はジャムにしても美味しいですよ

錬成魔法で四季成りに進化させるのが

お勧めですね』


礼司)『いいねソレ!

四季成りだと年中採取出来るんだよね?』


神眼)『冬場は少し減ると思いますが

レイジ様は緑魔法も扱えますので

年中採取する事は可能です』


礼司)『ありゃぁ~~遂に奴等

剣で結界を叩き始めたよ』


神眼)『盗賊として

全員捕縛致しましょう

魔剣八俣でお願いします

全員生きたまま捕縛して下さい』


どうやら生きたまま捕縛すると

犯罪奴隷としても売れる様だ


礼司)『エッ!?

俺がやるの?』


神眼)『勿論です

此れも訓練の一環です

宜しくお願い致します』


結局神眼の指示で俺は身体に肉体強化魔法と肉体結界魔法を掛け盗賊討伐する事になった

 

 ※魔剣八俣を持つと

 史上最強の剣神になってしまう

 但し魔力の少ない者は

 反対に生命を奪われてしまうのだ


神眼)『奴等を逃がさぬよう

街道の北側と南側に戦闘ゴーレムを待機させて下さい』


俺は直ぐに緑色戦闘ゴーレム10体を召喚

(※戦闘ゴーレムは

赤=戦闘レベル5000以上

青=戦闘レベル2500以上

緑=戦闘レベル1500以上

の三種類を創造神様から戴いており

複製により増やし10体を召喚している)

街道南側と北側に逃げられない様に配置した


礼司)『仕方がない

それでは行きますか』


俺はイヤイヤながら

奴等が集まってる所に顔を出した


礼司)「お前等

朝っぱらから一体何だ!

俺に何か用か!?」


アホ)「キサマッ!!

一体誰に口を効いておる

余は子爵で貴族で有るぞ!!」


礼司)「だからそのバカ柄杓ヒシャクが俺に何か用なのかな?」


アホ子爵)「キサマッ!!

余を愚弄するか!!

余は高貴なる貴族で子爵じゃっ!!」


礼司)「だ・か・ら!

柄杓に知り合いは居無いちゅうの!

痛い思いをしたく無かったら

サッサと帰れ!シッ!シッ!」


アホ)「おのれ!

言わせておけば!この小僧ー!

この馬鹿者をサッサと捕らえよ!」


仕方が無いので

モミジとカエデに手伝って貰い

メットの上から刀の峰で強引に打ち据え盗賊全員の意識を狩り取った

「おのれ!!余に歯向かうのか!!」

アホが何か叫んだ様だが知らん

峰打ちとはいえ

ガンガンと凄い音がしたのは言う迄も無い

とっ云うか全員非常に弱す過ぎだった


やがて全員が脳震盪を起こし気を失ったので

結束バンドで後ろ手にしてたら

後方の幌馬橇から

用心棒的な冒険者達が

カッコつけながら5人が降りて来た

「うわーーっダッサ!」

八俣を手にすると相手の脅威度まで

分かってしまう様だ

「坊や少しお仕置きが必要な様だな」

「ヤッパ頭悪いな自分の実力すら見えんか」

「サイロガ!此の子私に頂戴

何故か下半身がめちゃくちゃ疼くのよ」

「片腕だけは斬り落とすぞ」

笑顔で頷くエロババア

俺を見て十八女さかりが憑いたか

「キモっ!!」


八俣が俺に語る

ほんの少し楽しむかと

八俣を左手に持ち替え

俺は右手でコイコイをした

アホはキレてしまい

真上から剣を振り降ろして来た

たが剣速が余りにも「遅過ぎだ!!」

体を斜め左前に出し相手の剣を躱し

右手で

鳩尾に拳を入れ行動不能にしてやった

奴の身体が浮き上がり後方に返った為

仰向けに倒れ鎧に俺の拳跡がくっきり

泡を吹きながら痙攣していた

「次!コイ!」

最初の冒険者がこの中で最強だった性か

残りの奴等はビビってしまい

腰が引けていたので

八俣の平で瞬時に打ち据え意識を刈りとった

残りのエロ婆が魔法詠唱を始め掛けたので

デコピン一発で一回転して終了

恐るべし八俣君効果「最強だぜー!」


礼司)「此奴等も全員

身包み剥いで販売用奴隷だな」


甲冑が20人

盗賊の親分が1人

馭者が1人

メイドが1人

調理人が1人

冒険者男が3人

冒険者女が2人の都合29人の捕縛

馬6頭確保

箱馬橇1台

幌馬橇1台確保したのだが

幌馬橇の中に獣用の檻が入っており

驚いた事に中には何と手枷足枷の幼児が2人入れられていた

すると北側に停止していた

事件とは関係の無い馬橇隊の列から

商人らしき者が伴を一人連れ此方にやって来て檻を見詰める俺に声を掛けてきた


商人)「失礼致します

此れは餌用奴隷ですな」


礼司)「餌用奴隷?」


商人の話しでは

草原狼の囮用の餌奴隷だろうと云う事だった

何でも今の時期は春の繁殖期に向い

草原狼の雄の毛変わりの時期で

毛色がオレンジ色に成るのだそうだ

そして上位種は更に赤味が差し人気が有るらしい


商人)「色変わりした

普通種の現地相場が金貨20枚

上位種が金貨200枚になります

なので今の時期

餌用違法奴隷達が結構出回るのです

この子達の手足は既に壊死しております

可哀想ですがもう駄目でしょうね」


礼司)「いやっ!大丈夫だ

俺に任せろ!」


商人)「でもエリクサーでもない限り

無理だと思いますよ」


礼司)「大丈夫

エリクサーなら沢山持ってる」


商人)「エッ!?」

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