第21話 オペレーター {{ペティ}}

今、私達が闘っているのはモンクの二人組。サーナタリアとトシというらしい。

それに対して私達のパーティーは、ロントが魔法槍士で、ゼアが回復兼支援魔法、

リクィがモンクで、私はオペレーターというこの世界では割と珍しい役どころだ。


『ロント敵魔力反応、火炎魔法来るわ』

「モンクなのにか?!分かった!?」

『ゼア、バフ魔法抑え気味にして、後半に魔力温存』

《あい》

『男の子モンクが女の子モンクを上手く誘導してるから、男の子モンクに余裕を与えないで』

「リクィ?」

【オーケー】

『男の子モンクは手練れで、女の子モンクはスキルが豊富だから、男の子モンク

 には手数を増やして、女の子モンクは慎重にヨウスミしましょ。』

【オレもモンクの端くれ、手数なら任せてくれ】

「ちょっとキツいが何とか抑えてみせる」

『後、女の子モンクに支援魔法かかってるみたい』

『ゼア、ロントに認識力分散かかってる』

《任せて》

『男の子モンクは兎に角圧しまくって』

【オシ!!】

【つっても、かなりの手練れたぞこのモンク】

『言われてみれば、でも圧力かけて、あまり考えさせないようにして』

『とりあえず落ち着いてきたからみんなに聞くけど、四徳を統べる者、

 ってスキルを男の子モンクが持ってるんだけど、これ何??』

【そいつはやべえ。男の子モンクが間違いなくぶれーんだ】

【agility up くれ、ゼア?!!?!】

《とりあえず、ばらまいとく》

【オーケー】

『ロント、そっち 三倍段あるわ』

「よし!」

『多分、女の子モンク、分身作ろうとしてる』

「わ、わ、わ、分かった??!」


オペレーターに出来ることは、相手パーティーのスキルと魔法の一覧参照。

この一覧参照がオペレーターの真骨頂で、一覧にあるスキルや魔法の項目が

点滅したら、相手が

そのスキルや魔法を使う前兆になる。えげつないスキルだと思う。


支援系と同じく知覚遮断魔法で姿を消しながら、その上から聴覚共有で上書き

して、対戦相手に伝わらないように、小声でつぶやき、パーティーメンバーに伝えている。


他にはオペレーター個々人によって、参照できる項目が違ってくるけど、

私の場合、対戦相手のパーティー貢献度のパラメータと、味方パーティーの状態異常などの

パラメーターと、他各種味方パラメータを参照できる。


私の目の前には2D立体モニター映像が6つ姿を現している。

このモニターの点滅を見たり、スキル構成を見たりしながら、

優先度の高い情報を味方にオペレーションしている。


『女の子モンク、時間停止場展開。ロント離れて?!』

「くっそ!?!そういうの前もって言っといて!?」

『ごめ』

『ゼア、リクィに筋力 up かけて。男の子モンクが次元共有展開。』

【オレも、ロントと右に同じ】

『ほんと、ごめ、急に項目が追加されたの?!』


以上からも分かる通り、前もってオペレーションするのと、

事後的にオペレーションするのでは、パーティーへの負担が全然違う。

私達は押され始めて、あえなくギブアップ。


『なんか秘匿スキル扱いだったみたいで、私のオペレーターLv上がんないと多分無理。』

「そのせいか」

【しゃーない、時関系も次元系もちょっと無理だな】

《まあ、よくやったほうだよ。次の対戦訓練の受付始まるよ-!!》


パーティーのブレイン、オペレーター。楽しいな!!

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