この緊張感はサスペンスさながら!結末は読者の想像次第!

久し振りに集まった仲良し5人組の同窓会。しかし、それぞれ異なる思惑があって…
犯人も被害者も登場しませんが、サスペンスのような緊張感とともに物語は進展しています。持つ者、奪う者、欺く者。男の単純さと女の狡猾さ。人間の色々な側面が上手く表現されています。
5人別々の視点から口語体にて話が進んでいく構成。こうした場合、話し方や第一人称が似通いすぎたり、整合性がなくなったりしがちですが、しっかりと書き分けられています。
最後の結末を敢えて明確に示さないことによって、物語全体に余白ができ、読者に妄想の余地を与えています。
作品としての完成度高く、読みやすい作品でした。