第21話チーム・ブンガブンガの大一番

午後十時ごごじゅうじ清藤きよふじ会合かいごう帰宅きたくしてきた。

「うぃ~っ、たのしい宴会えんかいだった。ガハハハ!!」

清藤様きよふじさま、さあこちらへ。」

清藤きよふじさけんでべろべろにっている、執事しつじ順正よりまさ清藤きよふじかたちながら玄関げんかんなかに入った。

「あれ、電気でんきがついていない・・・。」

順正よりまさはすぐにいた、玄関げんかん電灯でんとう自動じどうくようになっているはずだ。それが付かないということは、ブレーカーがちているということだ。

くらくてよくえないなあ・・・まずは清藤様きよふじさまをリビングへ・・・。」

順正よりまさ清藤きよふじはリビングのドアをけた、するとべちゃとしたものがうえからってた。

「うわあ、なんだこれは!!」

つめたい感触かんしょく清藤きよふじおどろきのあまりいがめた。

順正よりまさってると独特どくとく感触かんしょくがした、これはスライムだ。

「なんでこんなところにスライムが・・・?」

「そんなことより部屋へやくらいぞ、かりをけるんだ。」

清藤きよふじわれて順正よりまさかりのボタンをしたが、かりがかない。

清藤様きよふじかりがきません。」

なに、まさかブレーカーがちているのか・・・。ちょっとい。」

すると突然とつぜん清藤きよふじだれかに背中せなか攻撃こうげきされまえのめりにたおれた。

清藤様きよふじさま大丈夫だいじょうぶですか!?」

「・・・っ、一体何者いったいなにものなんだ!いま攻撃こうげきしたのは!!」

しかし清藤きよふじはまた攻撃こうげきされた、まるで透明人間とうめいにんげんなぐられているようだ。

「とにかく、電気でんきけてこい!!」

清藤きよふじ怒鳴どなるので、順正よりまさがブレーカーのあるところへとかった。

すると順正よしまさはつるっとすべってしりもちをついたかとおもうと、しりから強烈きょうれついたみがおそいかかった。

「いたいい!!なんだこれは・・・?」

順正よりまさがろうとしたとき激痛げきつうはしった。順正よりまさ激痛げきつうえながら廊下ろうかすすみブレーカーのあるところへと辿たどいた。

「さて、懐中電灯かいちゅうでんとうは・・・、これだ。」

ブレーカーがちたときのために、懐中電灯かいちゅうでんとうはブレーカーのちかくにいてある。

順正よりまさ懐中電灯かいちゅうでんとうけてブレーカーをらししたときおそろしいゾンビのかおえた。

「うわあーーっ!」

順正よりまさんだが、勇気ゆうきしてゾンビのかおばした。するとそれはただの仮面かめんで、ブレーカーにかぶせてあったことがわかった。

「なんだ、ただの仮面かめんか・・・。」

順正よりまさはホッとした半面はんめんいや予感よかんかんじていた。

そして順正よりまさがブレーカーをけて、いえかりが復旧ふっきゅう廊下ろうかると順正よりまさいきをのんだ。

廊下ろうか一部いちぶびょうがしきつめられていたからだ。

激痛げきつう原因げんいんはこれだったのか、一体いったいだれがこんなことを・・・。」

やはり何者なにものかが侵入しんにゅうし、仕掛しかけをほどこしてブレーカーをとしたにちがいないと、順正よりまさ確信かくしんした。

今度こんどびょうがえるので、順正よりまさ上手うまびょうをけることができた。

そしてリビングのドアノブにをかけたとき、「ぎゃーーっ」という清藤きよふじ悲鳴ひめいこえた。

清藤様きよふじ一体いったいどうしましたか!!」

順正よりまさがリビングにはいると、こしかした清藤きよふじ姿すがたがあった。

「あ・・・ああ。」

清藤きよふじ指差ゆびさほうると、さきほどの仮面かめんよりもおそろしいつくりものの生首があり、プラスチックせいのヘビやクモのおもちゃが散乱さんらんしている。

「これはんだことを・・・、どうしてこんなものが・・・。」

電気でんき復旧ふっきゅうしたときにテーブルのうえいてあるのがえたんだ、プレゼントっていてあってけてみたら、こんなものがてきたんだ・・・。」

「やはり何者なにものかが侵入しんにゅうしていますね・・・。」

『そうだよ、ぼくたちがおじゃましていました。』

どこからかどものこえがした。

だれだ!!」

ぼくはチームブンガブンガのイーサンだよ、あんたをらしめるためにわな仕掛しかけたんだ。』

なんだと、てこい!!」

いてください、これはどこかにスピーカーが仕掛しかけてあるはずです。」

「そうか、さがすのを手伝てつだえ!!」

清藤きよふじ順正よりまさはリビングの隅々すみずみさがまわったが、スピーカーらしきものはつからなかった。

『もしかしてスピーカーさがしてる?無駄むだだよ、だってこれはマジックなんだもん。』

「なんだと!!」

いまからぼくがそれを証明しょうめいします。』

すると清藤きよふじ順正よりまさ頭上ずじょうから熱湯ねっとうってきて、二人ふたりはのたうちまわった。

「あちちち!!どうなってんだ!!」

『だからマジックだってっただろう、二階にかいにも面白おもしろ仕掛しかけがあるからにきてね。』

そしてイーサンのこえんだ。

「チーム・ブンガブンガめ・・・、そういえばあいつらは田亀組たがめぐみまかせたはずだ!どうしてわたしいえ侵入しんにゅうできたんだ?」

金山きんざん連絡れんらくれてみます。」

順正よりまさ金山きんざん電話でんわをかけた、しかし金山きんざん電話でんわなかった。

つながりません・・・。」

なんだと!!念押ねんおししたはずなのに・・・、ヤクザはこれだからダメなんだ!!」

清藤きよふじぎしりしながらあしらした。

いてください、とにかく二階にかいほうてみましょう。」

清藤きよふじはイライラをどうにかしずめると、順正よりまさ一緒いっしょ二階にかいへとがっていった。









二階にかいにはかべのいたるところにLEDのちいさなかりが点灯てんとうしていて、不気味ぶきみ演出えんしゅつをしていた。

「あいつらわたしいえ勝手かってなことを・・・不法侵入ふほうしんにゅううっえてやる。」

清藤きよふじ小声こごえつぶいた。

そして書斎しょさい部屋へやのドアをけてなかはいると、まえおおきなヘビがいた。

しかもやっつのくびつヤマタノオロチだった。

「ぎゃあーーーっ!妖怪ようかいだ!!」

二人ふたり悲鳴ひめいげた。

しかもこれだけにはとどまらず、今度こんど大百足おおむかであられた。

「な・・なんでこんなとことろに・・・。」

「きっとこれは・・・なにかのカラクリが・・・。」

っていながらも、リアルぎて恐怖きょうふつよくてふるえがまらない。

すると一人ひとり女性じょせいあらわれ、ヤマタノオロチと大百足おおむかではらった。

清藤きよふじ順正よりまさはその光景こうけいまるくした、そして清藤きよふじはその女性じょせいこえをかけた。

「あの、おたすけいただきありがとうございます。ぜひ、お名前なまえおしえていただきたいのですが・・・。」

するとその女性じょせい清藤きよふじった。

わたし雪女ゆきおんなよ・・・』

女性じょせいつめたくわらいながらつぶいた、すると書斎しょさいなか温度おんど急激きゅうげきがった。

「う・・うわあーーっ、本物ほんもの雪女ゆきおんなだ!!」

清藤様きよふじさま冷静れいせいに・・・、これもカラクリが・・・」

「じゃあ・・このさむさはどう説明せつめいするんだーーー!!」

「それは・・・わかりませーん!!」

清藤きよふじ順正よりまさ恐怖きょうふさむさで、ついに発狂はっきょうしてしまった。










それからしばらく清藤きよふじ順正よりまさっていた。

そして清藤きよふじ意識いしきもどすと、まえ六人ろくにんどもと一人ひとり大人おとな姿すがたえた。

いた?」

「う・・・・、おまえたち・・・何者なにものだ?」

清藤きよふじはゆっくりとがりながらった。

「ぼくは天星あまぼしイーサン、そしてぼくたち六人ろくにんが『チーム・ブンガブンガ!』だ。」

六人ろくにんどもは「ブンガブンガ!」とこぶしきあげた。

そして順正よりまさ意識いしきもどし、がった。

「おまえらか!!わたし屋敷やしき侵入しんにゅうして、こんな改造かいぞうをしたのは!!」

清藤きよふじ激昂げきこうした。

「そうです、こわかったでしょ?」

「ふざけるな、中学生ちゅうがくせいふぜいが!!」

「ぼくたち全員ぜんいん、まだ小六しょうろくです。」

「どっちでもいい!!とにかく、おまえらを警察けいさつしてやる!!」

警察けいさつされるのはそっちだ、田亀組たがめぐみ使つかっておれたちを監禁かんきんしやがって!!」

「そうよ、あんたは最低さいてい市長しちょうよ!!」

神島かしま斎藤さいとううと、清藤きよふじはたじろいだ。

「おい、そこにいるあんたは何者なにものだ!!」

もうおくれました、わたし大島愛知おおしまあいちというものです。」

大島おおしま名乗なのると、清藤きよふじ驚愕きょうがく表情ひょうじょうになった。

「お・・おまえが、大島愛知おおしまあいち・・。」

「あなたはうら長篠組ながしのぐみつながり、わたし地域ちいき違法いほう商売しょうばいをしてもうけた挙句あげく、その長篠組ながしのぐみすらもてて、すべてを長篠組ながしのぐみ犯罪はんざい仕立したげようとした・・・。これは市長しちょうとして・・・ひととしてゆるされないことです。」

「そうそう、田亀組たがめぐみ全員ぜんいん警察けいさつつかまったからね。それに清藤きよふじさん、地獄じごくはまだまだこれからだよ。」

イーサンがうと、大島おおしまっていたトランシーバーで「いいぞ」と連絡れんらくした。

すると「ドドドドドド」と大勢おおぜい人々ひとびと書斎しょさいのドアのまえまでた。

「な・・なんだ、いまおとは?」

「あなたがてた長篠組ながしのぐみ連中れんちゅうとしまえをつけにたって。」

「あ・・ああ、ま・・・って」

「じゃあ、おねがいします!」

イーサンがドアをけると、桐島きりしま先頭せんとう元長篠組もとながしのぐみ連中れんちゅうがなだれみ、清藤きよふじ順正よりまさ袋叩ふくろだたきにした。

怒声どせい悲鳴ひめいじる書斎しょさいあとに、イーサンたちと大島おおしま清藤家きよふじけた。


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