ただただ面白い。これぞ短編小説。

質の高いショートフィルムを見ているような感覚になる、これはそんな小説です。
のらりくらりと自由に生きている「フウ」と、赤と黒の絵を描きながら何かに怒っている「黒姫」の、軽やかそうで実は濃密な心の交流を描いた、女の子の友情物語。

いや、「友情」というのも適切ではないのかも知れません。友情とは少し違うけれど、でも「心の繋がり」を描いた傑作です。

正直、この小説を説明するのは難しいです。でも、読んで欲しい。読み終わったあと、きっとこう思うはずですよ。

──あぁ、良いお話だったなぁ。

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