第33話 幸せで愛しい時間

「でも残念だなぁ、俺もめぐちゃんの事狙ってたのに」






「え」







「は?!ケン何言ってんの!?」








「ね、めぐちゃん。今からでも俺に乗り換える気ない?」






ケン君が近くに寄ってきて私にそう笑いかける。






「えっと、、ごめんなさい…」







「残念~!まぁめぐちゃん熱狂的なレンファンだもんね笑」







「ま、レンが嫌になったらいつでも俺の所に来いよ」







「ソウマまで!!めぐは俺のなの!!ケンはめぐから離れろ!!」







「わー!レンが怖いよめぐちゃんー!」






「え?!ちょっ!」






ケンくんが抱きついてくるのを咄嗟にかわせず、思い切り抱きつかれる。







「け、ケンくん!離れて下さい…」







「えー!ヤダー!」







「ケ~ン~???」






「レン、もう少しだけめぐちゃんの事貸して……って分かったって!!分かったからそんな怖い顔で笑わないでお願い!!」






「あとで覚えてろよお前。てか、めぐも何照れてんの!!!」






「これはその、びっくりして、、」






思わず熱くなった顔を手で仰ぐ。






好きなアイドルグループのメンバーに抱きつかれたら平静なんか保てるわけが…!






「ちょ、ちょっとドキっとしたけど大丈夫。私が好きなのは詩音だけだから」






「…ドキドキさせるのは僕だけでいいのに」






私の言葉に拗ねる詩音。






そんな詩音も可愛くて見てるとたまらなく愛おしくて。






そんな彼の1番そばにいられる私は本当に幸せ者だ。






そんな事を思ってると





コンコン







楽屋のドアがノックされる音がした。






「はーい、どうぞ~」








失礼しますとドアを開けて入ってきたのは







「…ユカちゃん」






「レンくん~」







私が前にテレビで見た、詩音とMCをしていたアイドルだった。

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