第22話 サイン会当日2

「こ、こんにちは」







不思議に思いながらもそう挨拶をすれば







ソウマとケンからもこんにちはと返ってきて、最後にレンもハッとしたようにこんにちはと呟いた。






「あ、、サイン!お願いします…!」







メンバーに見とれている事に気付いて我に返り、CDを差し出す。







「はいはーい」






私からCDを受け取ったケンが慣れた手つきでサインを書いていく。






「お名前はー?」







「め、めぐです…!」






「めぐちゃん!可愛い名前ー!」







そう言いながら名前も書いてくれる。







「ありがとうございますっ」








「うん!よし、次はソウマに~」







「おう、めぐだよな。何歳なの?」







「22です」






「おー、レンと同い年」







「そうなんです!」






レンとの会話のチャンスが回ってきて、思わず私はレンの顔を見る。






けれどレンは何かを考え込むような顔をしていた。






「…これは偶然なのか?」







「え?」







「あ、、いや、なんでもないよ!めぐ…ちゃんは誰推しなの?」






しかしその思案顔も一瞬のみですぐに笑顔に変わる。







「…私は、、全員が好きです」






本当はレンが1番好きだけど…みんなが好きなのは事実だし…何よりレンが1番って言い切ったらケンとソウマに申し訳ない。。。







「嬉しいこと言ってくれるね?でもそう言って1番はいるんでしょ?」







ふいにレンにそう言われてドキリとする。






「……」






「誰誰?遠慮しないで言っていいよ」






ケンも楽しそうにそう言う。








「…私は、、レン君が一番好きですっ」







思い切ってそう言うと、サインを書いていたレンの手がピタリと止まった。

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