第13話 緊急国際会議
クン・ハ総司令
?「・・・きて・・さい・・・司令!」
ちっクソが、誰だオレの眠りを覚ますのは・・・男の声?なんで男に起こされているんだ、オレを起こすのは美女の役目、野郎の声で起こされるなんて最悪の気分だ、こいつ処刑してやろうか。
副官「緊急事態です!すぐに起床してください」
窓から差し込む光は無い、つまり夜中だ。夜中に起こされるなんて何十年ぶりのことだ、ムカついて反吐が出そうだ。眠いしカラダも重い、昨夜色々楽しんだので下っ腹もずーんと痛い。とにかくこの副官は処刑だ、二度と顔を見せるな。副官も女にしよう。なんでいままでこんな癪にさわるジジィを副官に据えていたのか自分でも驚く。お祖父様の友人だったか知らねぇがこんな老いぼれはクビだ。
クン「なんだ!要件を先に言え!」
副官「世界革命号が攻撃を受けました!」
怒りよりも驚いて声も出ない、我が国の予算の半分を費やして作った最高傑作の我が子よりも大事な原子力潜水艦が!?
クン「殺せ!」
副官「それが正体不明の敵が相手でして!それについて緊急国際会議が開かれることになっています!」
正体不明だ?ふざけたことを抜かすな、副官の襟元を掴んで壁に叩きつける
クン「オマエは!クビだ!」
副官「クビでもかまいません!速やかに執務室へ!会議が始まりますので!」
このクソジジィオレをなめてやがる。長年同じ職務につかせるとこういうことになる、危機感を失うのだ、こいつは絶対に殺す。見せしめのためにも必ず処刑だ。
怒りで目が覚めた、軍服を羽織って執務室へ入る、そこには見慣れたアホ面が雁首ならべて突っ立っていた。こいつら全員クビだ。総入れ替えだ。
そしてモニターにはさらにムカつく男の顔があった。インペリア皇帝ユージェニー・クードリオン・・・
ユージェニー「おはよう、クン司令、そちらは夜かな」
フXXX・ユー と言いたいのをギリギリで抑えた。他にも見慣れたしけた老いぼれの面が勢揃いしていた。つまり各国の首脳だ。
コミュニティアのクソジジィ、ウラムは・・・そうだ、死んだんだった。謎の疫病とかなんとかでコミュニティアの支配者層は根こそぎ死んだ。代わりに名前も知らないババァが委員長に就任していた。
ババァというやつがオレは大嫌いだ。オレは女が好きだから、ババァを見るとオマエが大切にしてるものはクソだ、と宣言されてるような気分になる、今オマエが大切にしてるものはクソなのだ、と言われてるようなものだ。女はすぐに悪くなる、15年しかもたない。なんて悲しい生き物なのだ。そうならそうで30で死ぬような生き物にすべきだ、その後50年も地獄のように無意味な時間が残されているのは一体何の意味がある?他の生物はそんな無意味なことはしない・・・美しさとは研ぎ澄まされていることだ、無意味なものは醜い・・・
エクスのアルティゼル、こいつも嫌いだ、敗戦国のくせに偉ぶりやがって、口を吐けばキレイゴト、敗者がキレイゴトを吐いてどうする。無力な人間のキレイゴトほど耳障りなものはない、負け犬の騎士団家は全員縛り首にするべきだった。生き恥を晒させるために生き残らせたのだとしたら、クードリオンの手腕には脱帽だ。
そしてヴェインランドのオルメカ総督だったか提督だったか。ヴェインランドは国なんてたいそうなものじゃない、無政府状態の猿どもの動物園だ。あいつらには国家なんてものを運営する能力など無い。よくも国家の権力者みたいな面していられるものだ。学が無いんだろう。
古代の哲学者は言った、知能とはつまり幾何学だと。一理ある、ヴェインランドの脳足りんどもは足し算も出来るかどうか怪しい、知能があるかどうかを調べるには幾何学を解かせるべきなのだ。
そして最後にババァよりももっと気が滅入る存在、ローランの首相のアシジマ・ヨーヘイの顔が目に入った。こいつの顔は見るのも嫌だ、こいつ個人というよりローランという言葉を目にするのも嫌だ。
GWの時代、それよりも前、ローランは小国の英雄だった。アイランズの小国でありながら、大国にも一矢報えるほどの戦力を持っていた。制空権の重要性を世に知らしめたのもローランの功績だ。アイランズの海軍は、海を支配していた。ローランの海空軍、そして我らローグの虎の陸軍、GWで最前線で戦ったのは我々だ、リベレーターズは政治的手段ばかりで前線に立とうとしなかった。
それなのに、なぜかローランはGWのあと、インペリアの犬に成り下がった。
自分で血を流すなんてのは愚か、ペコペコ頭を下げて、利益だけ取れば良い、という漁夫の利を狙う、ハエのような政治手段を取るようになった。今のローランは他人の消化したクソに群がるハエだ。
ローランの堕落、その原因がなんだったのかわからない。おそらく、本当はカネのためだけに頭を下げているフリだったのだが、それを繰り返していくうちに、本当に卑屈な人間になってしまったのだ。
国父ロウ・ハ は言った
「人間は恐怖を感じない相手に尊敬を払ったりしない、下手に出れば人間は際限なくつけあがる、横柄で傲慢になり、やがて同じ人間だとも思わなくなる NEVER SURRENDER 降参するくらいなら死ね。
友情とは、対立である、イエスマンこそ一番の敵だ」
とにかく現代、表面上はニコニコ、ペコペコしていて金儲けにしか興味がないローランは、世界中の人間からゴキブリのように嫌われている。
確かに理屈としてはローランのやり方が正しい、核兵器によって全面戦争はもはや不可能だ、軍事費などに予算をつっこむのは愚策である。
けれど人間というものは強い者に従う、これは理屈じゃない、本能なのだ。そして弱いものを憎み憎悪する、なんの理由もなくてもだ。これも理屈じゃない、本能なのだ・・・
アルティゼル「揃ったようですし、初めましょう、状況を教えていただきたい」
ユージェニー「ふむ、単刀直入に言えば、Saint社、が中心となって世界中で発電所を襲撃する国際テロ行為を起こしている、通信が破壊されて、被害の全容がつかめていない」
アリヤス「まぁ!恐ろしい」
ちっ、ムカつくババァだ。思い出した、確かアリヤス・ナーナとかいったなこのババァ・・・
アルティゼル「Saint社・・・」
ユージェニー「Saint社は国際的なゲーム、通信会社で世界中に支社を持っている、支社は現在すべてもぬけの殻になっているようだ、そして彼らの本拠地もわかっている、元南極核廃棄物処理場、通称オンカロだ」
クン「場所がわかってるなら攻撃すればいいではないか、本土が攻撃されたらすぐに核ミサイルを撃つんだろう?それとも我が国のミサイルの威力をご覧にいれようか?」
ユージェニー「そうしてはいけない、というために首脳会議を招集した。オンカロは核廃棄施設、核爆発に耐えられるように地下深くに設計されている。さらに、だ。南極に核ミサイルを撃つと、南極大陸の氷河が海に流れ出し、大規模な気候変動が起こると我が国の科学分析が証明している。よって、南極には核攻撃をしてはいけない、Saint社への対処は我が国の軍が行う、他の国家は手を出さないでもらいたい」
クン「断る、我が国は他の国家の命令は受けない、独自の行動をさせてもらう、それで話は終わりかな?」
ユージェニー「それは宣戦布告と取ってよろしいか?」
クン「常に!我がローグはインペリアの帝国主義!豚のような資本主義と戦争状態にある!通信を切れ!」
クン「南極基地へ核攻撃をする、「世界革命号」が攻撃を受けたことは絶対に漏らすな」
副官「しかし!」
クン「命令だ!」
あの老いぼれどもは、Saintをみくびっている。もはやインペリアなど仮想敵国ではない、Saintを全力で叩かなければ、すぐに自分たちの首が無いとなぜわからないのだ。
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