美しい曼荼羅を眺めているような気持ちになるお話しです。

美味しそうな料理とともに登場人物が織りなす物語が、不思議な世界へいざなってくれます。
時折登場する「鋼鉄奈良駅」を拠点にいくつかの世界がいくつも重なり合っているようなイメージで、物語が進むにつれて世界が広く深くなっていくようです。
ひとつひとつの料理にも思い出や料理人の思いが込められ、美味しいだけではない深いあじわいです。
最後のエピソードの琵琶法師の語りが、物語の巻物をくるくると閉じていくようでとても印象的でした。
最後まで読んだとき、もう一度最初から読みたくなるおススメのお話しです。

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