治すじゃなくて、工夫する。(発達障害(ADHD))

 さて。ADHDの治療を拒否した私であるが、そのまま放置していたわけではない。


 そもそもね。ADHDって言うのは、注意力散漫なわけですよ。超絶気まぐれなわけですよ。かと思ったら、飲まず食わず不眠不休で十数時間も没頭するという、病的な集中(過集中)をしてしまう訳ですよ、しょーもないことで。

 そのうえ短期記憶もできないから、うっかりミスは大量生産。正直何もない状態で働くのは厳しい。マジ無理。


 というか、発達障害と呼ばれる方のほとんどは、多彩な工夫を張り巡らさないと社会人をこなすのは厳しい。やりすぎと思われようと、ガンガンに盛ろう。みんなでモリモリに盛ってしまおう。


 私の場合は、持ち物を複数持たないようにしている。

 例えばシャーペンは、お気に入りのを1本のみ。何故なら、沢山あると「どこかにある」と思って忘れるから。気に入ったのを1本だけと決めておけば、必ず持ち歩く。だから予備は絶対買わない。


 家の棚には、そこに置くものを書いた名札をずらっと貼ってある。そうすれば、適当にモノをぽいぽい置いて、物が取り出せなくなるだの行方不明になるだのといったミスが減る。(ただ現在、置き場のない物が増えてきたので、名札を貼り直す必要がある)


 あと、フル活用するのが100均アイテム。未処理・処理済の書類を分ける書類ケース、指示はすぐに付箋にメモしてモニタにぺたり、ノートにはイラスト入りでお手製のマニュアルを書き描き。使い勝手が悪いとすぐ散らかるので、派遣社員だった頃はフックやらクリップやらとにかく色々たくさん持ち込んだ。


 付箋だらけのモニタを見て「すげえ」とか言われたが、そこまでやって私はやっと人並み以上を目指せるわけだ。逆に一つでも手を抜いたら、一気にだらしがない使えねえBBAである。それだけは言われたくなかったから、そりゃあ必死でやったさ。工夫しまくったさ。


 ADHD以外の発達障害には、特効薬がない。ADHDにしても、大人になってからでは効果がない事も多い。じゃあどうするかというと、工夫しかないのである。私はアナログな工夫が多いが(他にもたくさんあるでよ)、スマホにメモをしたり、タイマーをかけて没頭を防いだり、手紙や報告書の定型文をあらかじめパソコンにストックたりなど、いろんな工夫をされている方がたくさんいらっしゃる。


 この『工夫すること』を、『恥』や『いけないこと』と思っている日本人は非常に多い。いやいや人に比べて記憶力やらなにやらがアレなんだから、そこだけ外部メモリに頼るだけじゃん。モノを使って補強するだけじゃん。

 私も30半ばまで恥を気にする人間だったけれども、工夫しちゃうと本当に楽。工夫の方法についての書籍も多数出ているので、お困りの方はぜひお手に取ってみては。

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