インスタントフィクション

夜が豚を食う。

第1話妄想爆発少女

ある日の午後。お昼過ぎと言った方が正しいだろう。

私は念仏と化した歴史の授業を左へ受け流し窓から空を見ていた。たまにお昼でも月を見つけることがあるが今日はそうではない。

あまり天気が良くないのだ。だから薄い白色の月も青色でさえも見つかりはしない。

「これ分かるやついるか。じゃあ佐々木」

いきなり名を呼ばれた私は体がグワァーと熱くなって、言葉を喉に詰まらせた。

授業をちゃんと聴けと怒られた。聴いて答えられるなら聴いてますよー。

そんなこと呟いていたら、曇天の中から何かが近づいてきた。

バゴーンという凄まじい音と共に校庭に一つの穴が空いた。

隕石が落ちたのだ。隕石には何やら黒いネバネバが蠢いていてそいつが喋る。

「この周辺に寄生するのに適正な生物がいるはずだ。探せ」

そして一斉に広がったと思うとまるで洪水のように学校を飲み込んでいった。

気がつくと黒いネバネバも2−2の生徒も先生も居なくて私だけが取り残されていた。

なんてことがあったらいいのにな。

時計を見るとまだ一分しか経っていなかった。

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